「東京産業」(東証プライム)の元社員(37歳)が、循環取引により2400万円を詐取した容疑で逮捕されたという記事。
「捜査2課によると、循環取引は平成29年~令和4年で約70件、総支出額は約37億円に上り、東京産業に8億円超の実損を与えたとみて捜査している。」
9月30日の日経朝刊記事によれば、4億円以上が容疑者の管理する口座に入金されているそうです。
逮捕容疑は、2022年3月の架空取引です。
「逮捕容疑は令和4年3月、建築会社から工事現場の足場に使う資材を仕入れたという虚偽の請求書を提出するなどし、仕入れ代金として東京産業に約2400万円を支出させ、詐取したとしている。」
循環取引にかかわっていたのは約20社。
「捜査2課は××容疑者が循環取引を主導し、東京産業の業務で知り合った企業約20社を協力会社にしていたとみている。不正が発覚しないよう、多くの企業を巻き込み、循環取引を繰り返していた。」
逮捕されたのは、この元社員だけのようですから、循環取引に加わっていた他の会社の関係者は、刑事事件に関してはおとがめなしということでしょうか。
会社は、昨年7月に決算の遡及訂正や遅れていた2022年3月期有報の提出などを行っています(→当サイトの関連記事)。会社としては、それで一応解決したということになっているのでしょう。(それとは別に、警察の捜査への協力や、債権回収努力は行っていると思いますが)
当社元従業員の逮捕について(PDFファイル)