日立製作所の本決算の発表日が例年の4月下旬から5月中旬にずれ込むという記事。
日立は米国上場企業でSOX法の内部統制評価・監査制度が適用されます。記事によれば、「経理財務関連は決算期末後の決算書作成過程で評価する部分が多く、社内の内部統制担当者がチェックする作業が大幅に増える」ことが、発表日を遅らせる背景にあるようです。
その他、監査人による決算監査前に、数値の正確性をギリギリまで上げておこうという狙いがあるのではないでしょうか。いったん決算発表した後に、監査人の監査の結果により決算数値を修正するということになると、会社の内部統制が誤謬を適時に発見できなかったことを自白しているようなものです(監査人は内部統制の一部ではないため)。その修正額が重要性の基準値を超えていれば、内部統制に重要な欠陥があったと判断されるおそれがあります(重要な影響が実際に発生したのだから当然です)。
これまでの例を見ても、連結仕訳を間違えて利益を修正したりといったことは珍しくありません。いくら新しいシステムを導入して業務プロセスの内部統制を立派にしても、最後の段階でミスを犯すと、水の泡になってしまいます。
日本版SOX法導入初年度の2009年3月期の決算発表は、どの会社も従来より遅くせざるを得ないでしょう。
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