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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出に関するお知らせ(ジー・スリーホールディングス)

過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出に関するお知らせ(2月18日)(PDFファイル)

ジー・スリーホールディングス(東証2部)(旧社名:コネクトホールディングス)のプレスリリース。

2017年8月期から2020年8月期までの有価証券報告書、及び2017年8月期第3四半期から2021年8月期第3四半期までの四半期報告書の訂正報告書を提出したとのことです。(2021年8月期有報も18日に提出)

例えば2018年8月期の影響額を見ると...


(左から、訂正前、訂正後、影響額です。)(単位:千円)

売上高3割減、経常利益9割減、純資産6割減、というひどい粉飾決算です。

特別損失の計上及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(2月18日)(PDFファイル)

「当社が2021年11月10日付「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」及び2022年2月2日付「(開示事項の経過)特別調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」にて公表したとおり、過年度において不適切な会計処理等の事実が判明しました。これに伴い、特別調査委員会による調査費用及び過年度決算の訂正に要する費用等の発生を見込んでおります。

以上の理由から、詳細な金額は本日現在においては未確定ですが、2022年8月期第1四半期会計期間において、不適切な会計に係る費用等として500百万円(概算額)を特別損失として計上いたします。」

調査報告書が2月2日に公表されていました。調査にはPwCが関わっています(だから5億円もの特別損失が発生するのか?)

(開示事項の経過)特別調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ(PDFファイル)

調査のきっかけは...


(調査報告書より)

実際に調べてみると、太陽光発電事業の取引で、おかしなものが次々と出てきた(報告書の項目でいうと全部で8件)ということのようです。

報告書3ページの案件の一覧表より。



どちらも決算日直前に契約し売上計上しています。

年間売上高30億円程度の会社で、期末日直前に5億円とか10億円の売上がまとめて計上されたら、監査人も徹底的に調べているはずですが...。

ただ、取引には、国から認定されたという権利や権利を持っている会社の売買もあったようです。ものを引き渡すといった物理的な動きはないので、契約で判断するしかないわけですが、契約は交わし、権利移転の手続もしたけれども、相手方(ペーパーカンパニー?)にその時点で支払い能力はなかったということで、売上計上時期がおかしいと判定されたものもあるようです。また、関連当事者取引の問題もあったようです。したがって、監査人も判断が難しかったのかもしれません。詳しくは報告書(全部で90ページほどのもの)を参照してください。

調査報告書のまとめ部分より。



2015年(旧社名のころ)にも同じような不正をやっていたようです。会社の体質は変わっていなかったことになりますが、不正の手口だけは進化したのでしょう。
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