音楽プロデューサーとプロ・ボクシング選手が、業者から支払いを受けた事実を明かさずに「新規仮想通貨公開(ICO)」を宣伝したとして、米SECから提訴されたという記事。
「SECはICOで発行される仮想通貨について、証券に当たる可能性があり、連邦証券法の適用対象になると説明している。
キャレド氏とメイウェザー選手はいずれもSECと和解。キャレド氏は2年間、メイウェザー選手は3年間、デジタル通貨などを含む一切の証券の宣伝を控えることに同意した。受け取った金銭をSECに返還し、利息付きの罰金を払うことにも同意したという。
メイウェザー選手はICOの発行業者3社から30万ドルを受け取った事実を開示していなかった。この中には、不正なICOを行ったとして提訴されたセントラテック社の10万ドルが含まれている。キャレド氏も同社からの5万ドルを開示していなかった。
キャレド氏はソーシャルメディアでセントラ社のICOを「画期的」と形容。メイウェザー選手はフォロワーに対して同社のICOに参加するよう促し、別のICOをめぐっても、「これからはフロイド『仮想通貨』メイウェザーと呼んでくれ」などと述べていた。」
2人の写真を見ると、宣伝は逆効果になりそうな気もしますが...
SECのプレスリリース。
Two Celebrities Charged With Unlawfully Touting Coin Offerings(SEC)
These are the SEC's first cases to charge touting violations involving ICOs.
辞書を見ると、toutというのは、客引きするというような意味だそうです。
セレブが宣伝する「第2のビットコイン」にご用心(2017年11月)(クーリエジャパン)(記事前半のみ)
「メイウェザーをはじめ、最近、多くの有名人がICO(イニシャル・コイン・オファリング)を宣伝している。ICOとは、起業家が自らトークンと呼ばれる仮想通貨を発行して投資家に売り出すという新たな資金調達方法だ。目下、話題を集めているが、法的にはグレーゾーンにあり、当局の規制はあまり及んでいない。
セントラのICOは、メイウェザーに加えて人気ラッパーのDJキャレドが宣伝するなど“お墨付き”を得たものの、結局、いくつもの問題を引き起こすことになってしまった。たとえば、最高経営責任者(CEO)はどうやら実在の人物ではなかったようだし、ビジネスプランもあやふやだった。
とはいえ、セレブたちの支援もあってか、セントラの創業者らはわずか数週間で、世界中の投資家から3000万ドル(約33億円)を超える資金を調達した。
ICOに関する情報サイト「Tokendata.io」によれば、セントラがおこなったようなICOは今年だけでも270件ほど実施され、総額で32億ドルもの資金が調達されているという。前年の総額より、実に3000%増だ。」
「ICOブームに油を注いだのは、セレブたちだ。パリス・ヒルトンや俳優ジェイミー・フォックス、サッカー選手ルイス・スアレスなどが、ソーシャルメディアを通じて多くのフォロワーたちに新しい仮想通貨を推奨した。
なかでもメイウェザーは、セントラをはじめ3種類のトークンを宣伝してきた。自分のニックネーム「マネー・メイウェザー(金の亡者)」に引っかけて、自ら「クリプト・メイウェザー(クリプトの亡者)」と名乗りはじめたくらいだ。」
DJ Khaled and Floyd Mayweather fined for crypto promotions(economia)
こちらも、ICO関連でSECによる処分が行われたという記事です。
↓
SEC Notches First Cryptocurrency Offering Settlements(CFO)
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