国土交通省が、「かんぽの宿」の一括売却に絡む不動産鑑定で不当な評価をしたとして、不動産鑑定士4人を業務禁止や戒告の懲戒処分、不動産鑑定業者1社を戒告の監督処分にしたという記事。
「国交省によると、鑑定士らは07年8月末にかんぽの宿の評価書を公社に提出。事前に公社に示した原案から大幅に価格を引き下げた理由に合理性がない上、実地調査していない物件や、つじつまの合わない記載があり、不当な鑑定評価と判断した。鑑定士が原案を示した際、公社側は「早期に売却したい。今の市場で売れるのか再検討してほしい」と伝えたという。」
国土交通省のプレスリリースはこちら↓
不動産鑑定士及び不動産鑑定業者への行政処分等について(国土交通省)
ある鑑定士に対しては、以下の点で不当な鑑定評価であったとしています。(他の鑑定士も全部ではありませんが同様の指摘を受けています。)
・重要な評価条件を鑑定評価書に記載しなかった。
・ドラフトとして鑑定評価額等を依頼者に示した後に依頼者側とのやりとりを経て鑑定評価の内容を大幅に変更した理由について、合理的な説明ができない。
・対象不動産のほとんどについて自ら実査しなかった。
・鑑定評価書に多数の誤り、極めて説明不足の箇所がみられる。
・本社の不動産鑑定士として、他の不動産鑑定士に対し、依頼者からの評価条件を正確に伝達せず、また、ドラフト提出後の依頼者側とのやりとりをもとに、行うべき範囲を逸脱した指示を行った。
この処分と併せて、鑑定評価等業務の適正な実施の確保について徹底を図るため、日本不動産鑑定協会会長に対して通知を行っています。(通知の最後の方で「依頼者プレッシャー」という言葉が使われています。)
かんぽの宿を格安鑑定、国交省が処分 現場行かず鑑定も(朝日)
今回の処分では、(「依頼者プレッシャー」に負けて?)かんぽの宿を不当に低く鑑定したとされていますが、ネステージ粉飾事件では、不当に高く鑑定評価したことが問題となっています。
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