連結子会社で約10年間にわたる架空取引が発覚したというブロードメディア(ジャスダック上場)のプレスリリース。
(「釣りビジョン」というのが問題の子会社です。)
「釣りビジョンは平成 19 年春ごろから、クライアント企業から釣りビジョンが受注した映像制作を業務委託先企業に再委託する取引をおこなっておりました。また、業務委託先企業に対して、当該映像制作だけでなく、クライアント企業への営業活動・受発注業務・納品・請求、その他付随する業務も委託しておりました。
...
しかしながら、平成 29 年 12 月 29 日に、12 月末を期日とした大口クライアントの売掛金の入金不足があったため、当該クライアントに対する入金の督促や、業務委託先企業に対して状況の確認を進めていたところ、平成 30 年 1 月中旬に、業務委託先企業の代理人弁護士より釣りビジョンに対して、長年にわたり業務委託先企業が架空取引を行っており、クライアントからの取引上必要な書類の偽造、印鑑の偽造等を含む各種不正行為を行っていた旨の説明がなされました。」
業務委託先企業が仕組んだスキームにだまされて加わっていた、会社は被害者であるというスタンスのようです。
決算への影響は...
「仮に全ての当該取引が架空であった場合、影響額が最も大きくなり、平成 29 年度第 3 四半期連結累計期間における影響額の最大値として、「放送」セグメントの売上高約 23 億円、営業利益約 1.2億円の取り消し、実質的な損害として特別損失 4 億円~6 億円の発生が見込まれますが、架空取引の額や過年度の税金費用の処理等次第で実質的な損害額は変動するものであり、これに伴い特別損失等も変動する可能性があります。
また、架空取引が過去長期間にわたるため、その額が判明した後、過年度への影響が大きいと判断された場合、過年度決算を修正する可能性があります。」
売上高約23億円というのは、当期だけの数値で、全期間で見るとはるかに大きな金額となります。
(プレスリリースより)
100億円超の売上水増しということになりそうです。
プレスリリースによれば、売掛金はずっと期日どおりに入金し、監査法人による毎期の残高確認でも齟齬はなかったそうです。
監査人は、債権債務の残高を押さえるだけでなく、取引スキーム全体を見て、実態を把握し異常点に気付かないといけないようです(非常に難しいかもしれませんが)。
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