キーエンス創業者が、保有する同社株745万株(3900億円の価値があるそうです)をキーエンス財団(税務上優遇されている公益財団法人のようです)に寄付したという記事。
24日の日経朝刊では、親族の資産管理会社に寄付したとなっていましたが、訂正しています。
「<訂正>23日午後10時7分公開の「キーエンス創業者、同社株3900億円分を管理会社へ寄付」の記事中、「不動産管理会社のティ・ティ(大阪府豊中市)」とあったのは「キーエンス財団(大阪市東淀川区)」の誤りでした。また、見だしの「管理会社」は「財団」の誤りでした。」
寄付の受け手が法人であれば、個人からの贈与であっても贈与税はかかりませんが、その法人が普通の会社であれば、受贈益に課税されてしまいます(ただし、3900億円だと贈与税より税率は低いでしょう)。寄付する側に譲渡所得が発生して課税されることもあります。
それでは、節税にならないので、やはり誤報だったようです。
「キーエンス創業者の滝崎武光名誉会長が16日、保有する同社株745万株をキーエンス財団(大阪市東淀川区)に寄付したことが分かった。23日付で近畿財務局に提出した変更報告書で明らかになった。寄付した株式はキーエンスの発行済み株式の3%にあたり、16日時点の価値は3900億円にのぼる。滝崎氏は寄付後も3.15%を保有する。」
キーエンス財団概要
代表理事が、滝崎武光氏(株式会社キーエンス 取締役名誉会長)です。
オーナー経営者による財団法人への株式の寄附(2019年)(税務研究会)
「海外でも巨額の自社株を持つに至った創業者が自己で設立した財団に自社株を寄附し、大規模な慈善活動を行っていると話題になることが多く、日本でも所有する自社株の価値が大規模となっているオーナー経営者の中には、手元の自社株を財団に寄附し、自ら社会貢献活動を行うことに興味をもつ者も多いのではないだろうか。
また、このような社会貢献活動への関心に加え、財団法人という別人格に株式を移転し、これを法人内に留めて社会貢献活動の基盤とする、という仕組みがオーナー経営者の相続税対策、株式の分散防止や安定株主対策に非常に有効に機能するとの認識がひろがっており、このことが株式会社の経営とは別に、社会貢献活動を通して世の役に立ちたい、自分の想いを形にしたい、との意向を持つ経営者の財団設立を後押しするものとなっている。その結果が、冒頭の集計にみるような大きな規模の財団法人の誕生を促す結果になったと考えられ る。」
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