goo blog サービス終了のお知らせ 

会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

米国CAQ(Center for Audit Quality)「生成AIの時代の監査」の翻訳公表について(日本公認会計士協会)

米国CAQ(Center for Audit Quality)「生成AIの時代の監査」の翻訳公表について

日本公認会計士協会は、米国のCenter for Audit Quality(CAQ)の「生成AIの時代の監査」(原題:Auditing in the Age of Generative AI)の日本語版を公表しました。

全19ページの資料です。

「本資料は、2022年11月に大規模言語モデルを搭載した生成AIが一般公開され、個人や企業による利用が増加していることを踏まえ、財務報告に関連するプロセスに生成AIが利用される場合のリスク及び監査人の考慮事項について検討しています。」

もとの資料は2024年4月発行です。

(CAQというのは「無党派の公共政策組織であり、米国の公開企業の監査人及び公開企業の監査に関連する事項の代弁者としての役割を担っている」(資料2ページ)そうです。そのボードメンバーをみると、米国のビッグ4事務所の幹部らのようです。)

一部引用すると...

生成AIの確率論的な性質は、監査人が企業の財務報告プロセスにおいて歴史的に遭遇してきたであろう他の技術との重要な相違点であり、プロセスレベルのリスクやITから生じるリスクの識別を含め、監査人の重要な虚偽表示リスクの識別及び評価に影響を与える可能性がある。」(6ページ)

AIの課題は、それが「ブラックボックス」になり得るということである。つまり、特定のアウトプットに到達するプロセスは、容易に説明・解釈することができない。これは、AIアルゴリズム固有の複雑性や、基礎となるデータとアウトプットや決定との間の関係の非線形性に起因する。この課題は、生成AIを含む全てのタイプのAIに存在するものの、説明可能性と解釈可能性のニーズは、テクノロジーへの依存度(すなわち、そのテクノロジーが、従業員が行う仕事を補強するために利用されるのか、又は従業員の代わりとなるために利用されるのか)、アウトプットの性質や種類(すなわち、そのアウトプットが人間のレビュアーによって独自に再現可能か否か)、及びヒューマン・イン・ザ・ループの関与のレベル(より詳細には「識別されたリスクへの対応」の項を参照)を含む多くの要因によって異なる。さらに、アウトプットを説明及び解釈する能力は、そのテクノロジーが基盤となるモデルに基づいて構築されているか、又は企業が開発したモデルに基づいて構築されているか(すなわち、企業が基礎となるアルゴリズムを管理しているか)によって影響を受ける可能性がある。これらの要素は、監査人が、生成AIテクノロジーの利用が企業の財務報告プロセス又はICFRにどのような影響を与えるか、及び、運用評価手続又は実証手続に関連する監査対応を検討する上で重要である。」(7ページ)

事例として、「財務諸表開示書類の作成」と「報告書を作成するためのコード生成」(企業内部で使う売掛金に関するレポートの例です)を取り上げています。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「日本公認会計士協会(監査・保証業務)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事