会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ミネルヴァ、3年前から預かり金流用か 「依頼者は底つき」過払い金ビジネス終焉(産経より)

ミネルヴァ、3年前から預かり金流用か 「依頼者は底つき」過払い金ビジネス終焉

破綻した「東京ミネルヴァ法律事務所」が、依頼者から預かった過払い金を3年ほど前から広告費に流用していた疑いがあるという記事。同事務所の代表である弁護士がそのように述べているそうです。

「帝国データバンクや第一東京弁護士会などによると、ミネルヴァは6月、51億円の負債を抱えて破産した。約30億円は依頼者に戻すべき過払い金で、残りは広告代理店への広告費などだった。」

「財務資料によると、ミネルヴァは平成28年度から昨年度まで依頼者を集める地方相談会として広告費40億円超を支出。一方、依頼者からの報酬は30億円弱で、赤字が続いていた。

川島弁護士によると、29年8月に川島弁護士が代表を引き継ぐ前から、ミネルヴァでは広告費の支出で足りない分は、依頼者に返還する過払い金を管理していた別口座の金を流用していたという。」

当サイトで紹介したダイヤモンドの記事によると、東京ミネルヴァから広告費などを吸い上げていたのは、リーガルビジョンという会社で、この会社のグループが、東京ミネルヴァを実質的に支配していたとのことです。また、リーガルビジョンは、東証2部上場会社であるRVHの子会社でした。

RVHの有報(2019年3月期)では、「当連結会計年度において、株式譲渡により、株式会社リーガルビジョン及び同社子会社であるキャリアエージェンシー株式会社、株式会社東京ハウスパートナーは連結の範囲から除いております。 」とあるので、子会社でなくなったのは2019年3月期ということになります(ダイヤモンドの記事によると株式譲渡は18年11月)。

もし、産経記事のとおり、3年前から預り金流用をしていたとすると、リーガルビジョンとそのグループ会社がRVHの子会社だった時期と重なります。つまり、上場会社子会社が、弁護士法人(最終的にはその顧客も)を食い物にして、過大な広告費等を支出させていたということになります。それが違法な行為といえるかどうかまではわかりませんが...。

さらに、リーガルビジョンが東京ミネルヴァを実質的に支配していたとすれば、支配力基準からして、連結範囲に含めるべきという議論もあり得るかもしれません。

この問題は、もちろん、弁護士法人である東京ミネルヴァのガバナンスの問題なのでしょうが、上場会社の子会社の行為として適切だったのかどうかという観点からも見るべきと思われます。

過払い金ビジネスについては...

14年間で消費者金融から総額7兆円を回収してきた過払い金ビジネスは、終焉を迎えつつある。」

「多重債務問題に詳しい新里宏二弁護士は「過払いビジネスはようやく終焉を迎えつつある」としている。」

消費者金融側の引当金問題も、完全に解消するということでしょうか。これまでの引当金計上が正しい見積りによって、正しく行われていたのか、どこかで検証してほしいものです。
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