goo blog サービス終了のお知らせ 

会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

DIC、川村美術館を都内に移転 作品数を4分の1に削減(日経より)

DIC、川村美術館を都内に移転 作品数を4分の1に削減

DICが千葉県にある美術館を閉鎖、移転し、作品数も激減させるという記事。

「DICは26日、保有・運営するDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)を東京都内に移転すると発表した。作品数を4分の1程度に減らし、公共性の高い団体と連携して運営する。2025年中に作品の売却を始め、同年中に少なくとも100億円程度の現金収入を見込む。26年以降も段階的に売却を進め株主還元や成長投資に充てる。」

「DICは、クロード・モネの「睡蓮」やパブロ・ピカソの作品など全384点を保有しており、美術品の資産価値は、6月末時点で112億円(簿価ベース)ある。作品を段階的に売却していくが、金額規模や時期については未定としている。」

「抽象的な絵画は、宗教や文化を越えて受け入れられやすく、中東などの美術ファンが買い集め、美術品の価値が高騰している。14年、DICの所蔵ではないが、ロスコ作の絵画が約1億8600万ドル(約290億円)で売却された。業界関係者は「安く買った美術品があれだけの価値を持つようになることは、美術館として異例で素晴らしいことだ」と話す。」

香港の投資ファンドオアシス・マネジメントは10月、DICの株式の保有割合を8.56%から11.53%に高めた。ある投資家は「企業の社会的貢献は、美術品を見る機会を千葉で提供することではなく、配当として富を再分配することだ」と指摘する。」

日本企業には、もう、経営者の趣味で始めたようなメセナ事業を継続する余力がなくなっているのでしょうか。また、アクティビストファンドなどが、コーポレートガバナンスを盾にして、会社への圧力を強めるほど、日本の一般市民が企業の社会貢献の恩恵を受けることもなくなり、文化水準も下がるのでしょう。そもそも、配当により株主(その多くが外国投資家)に富を移転させることが「再分配」だというのは、「再分配」の意味がだいぶ普通とは違うようです。

こうなってくると、少し法人税率を上げて、強制的に、日本国内に「再分配」する方がよいのではないでしょうか。

「美術館運営」見直しの検討結果並びに今後の美術館運営に係る方針についての最終報告(2024年12月26日)(DIC)

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事