タレントのデヴィ夫人が代表を務める芸能事務所の運営費を着服したとして、業務上横領罪に問われた元経理担当スタッフの刑事裁判で、懲役4年6月の求刑がなされたという記事。
被告は報酬が未払いだった主張しているそうです。
「肩まで伸びた白髪にジャージー姿の××被告は被告人質問で「給料未払いと渋谷に家を買うという甘い言葉に惑わされた」と夫人から給料を受け取っていなかったなどと語り、横領の理由について「夫人のやかましさの仕返しで回数が重なった。夫人の困る顔が見たかった」などと述べた。」
「意見陳述で証言台に立ったデヴィ夫人は冒頭に、「こんなに、うそ八百を並べることに逆に感心しました。真実は一つもない。給料をもらってないと、よく思いつく」と怒りをにじませた。」
最近、なんでも日産・ゴーン事件と比較したくなるのですが、この裁判では、被告は、報酬未払いがあって、それを回収するための横領だった(だからそんなに悪質ではない?)といいたいのでしょう。被告を雇っていた側では、未払いを否定していて、横領額はすべて理由がないものだ(だから全部返すべきものだ)という主張ということになります(別途、民事裁判で主張するのでしょう)。
日産・ゴーン事件では、ゴーン氏は横領(特別背任)はないといっているのに対し、会社側は横領があったと主張していて、この点は、この裁判の構図とだいたい同じです。違うのは、報酬の未払いがあるかどうかという点です。ゴーン氏側が未払い(受け取る権利が確定したもの)はないと主張しているのに対し、会社側は(この裁判の例とは逆に)ゴーン氏への報酬未払いがあったと主張しています。ということは、横領額は報酬未払いと相殺されて、会社は全額返せとはいえない(未払い額の方が大きければ逆に支払わなければならない)ということになります。ゴーン氏側からすると、未払いがあるのであれば、(仮に横領があったとしても)退職後に支払われる未払い報酬を、ちょっとずるをして別名目で回収しただけだ(悪質性は低い)ということになってしまいます。おかしな話です。
デヴィ夫人、事務所の元経理担当の公判で「ウソ八百を並べている」と意見陳述(ニフティ・ニュース)
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