金融庁は、4大監査法人に対し、2006年7月7日付で業務改善指示を行いました。
これは公認会計士法第34条の21第1項で、監査法人の行う第2条第1項の業務(監査証明業務のことを指します)の運営が著しく不当と認められる場合に、内閣総理大臣がその監査法人に対して、必要な指示をすることができるとされていることによるものです。
あくまで、「運営が著しく不当」な場合に指示ができるのであって、不備事項が軽微なものにすぎなければ、そうした指示は出せないはずです。
今回の業務改善指示の場合、日経金融の記事にも書かれていた点ですが、公認会計士・監査審査会による金融庁への勧告では、すくなくとも各監査法人の具体的な不備事項に関して「著しい」という言葉はまったく使われていません。不備事項の数はやたらと多いのですが、たしかにこれは重大な不備だといえるような内容の指摘は見当たりません。また、新聞報道によれば、個々の監査に関して、粉飾決算を見逃して適正意見を出したといった事例は、検査でも発見されなかったようです。
業務改善指示を出すという結論が最初からあって、その結論に合うよう些末な問題点を無理やり集めたのではないかという「疑念」が残ります。
もちろん、業務改善指示が出されるかどうかにかかわらず、品質管理の改善は行うべきだと思いますが、金融庁に指図を受けるようなことがらではありません。
<script type="text/javascript"></script>
<script type="text/javascript" src="http://www.assoc-amazon.jp/s/ads.js"></script>
最近の「会計監査・保証業務」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事