会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

消費税:「逆進性」課題に 税調専門家委、中間報告(毎日より)

消費税:「逆進性」課題に 税調専門家委、中間報告

政府税制調査会に専門家委員会が「議論の中間的な整理」という報告書を提出し、税制の改革の論議が始まったという記事。

「専門家委は、消費税と所得税を税制の「車の両輪」に位置づけ、消費税増税の必要性を強調する一方で、所得税については高所得者により重い負担を求める「累進性」の回復を提言した。」

消費税については、逆進性緩和のため、複数税率やインボイス方式の導入など、仕組みの見直しも議論されるようです。

「逆進性を緩和するための具体策の一つとして菅首相が挙げるのが、生活必需品などの税率を低くする「軽減税率制度」だ。欧州の一部の国では、食品などに標準税率よりも低い税率を適用し、複数の税率を設定している。」

「・・・標準税率と軽減税率が混在することで、事業者の納税事務が複雑になるのも悩みの一つだ。現在のところ、商品の税率や税額を明記した「インボイス」という書類を、取引ごとに仕入れ先が購入した企業に渡す方式が有力視されている。しかし、事業者の事務は煩雑になり、負担が大幅に増すことは避けられない。」

消費税の仕組みをシンプルなままにしようとすると、逆進性は別の方法で解決しなければなりません。その方法として、消費税増税で負担が増える分を、直接消費者に戻すという制度も検討されるようです。

「もう一つの逆進性対策として、納税額の一定部分を払い戻す仕組みも検討される見通しだ。所得税を納めている世帯なら減税で対応できるが、所得が低くて所得税を納めていない世帯には減税では還付できない。そこで、低所得者向けには現金を給付する「給付付き税額控除」が浮上している。」

「しかし、この仕組みを取り入れるには、国民一人一人に固有の番号を割り振るなどし、各世帯の所得状況を正確に把握することが前提になる。・・・」

平成22年度 第2回 税制調査会(6月22日)資料一覧

こちらに「議論の中間的な整理」のファイルも掲載されています。

消費税に関する各論をみると、新しい仕組みには、抵抗もあるようです。

「軽減税率については、我が国の消費税の特長を損ない、非常に複雑な制度を生むこととなる可能性があることなどにも留意が必要。」

「インボイス方式の導入は、仕入税額控除の適正化に資する面もあるが、他方で免税事業者が取引の中間段階から排除されかねないとの懸念もあり、制度の信頼性・透明性の要請と中小零細事業者の取引実態への配慮のバランスを踏まえた検討が必要。」

簡易課税制度等の中小事業者の特例措置についても、事業者の事務の実態なども踏まえながら、引き続き必要な見直しが行われるべき。」

英「消費税」20%に引き上げへ 緊急予算案を発表(朝日より)
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