ギリシャが米ウォール街の投資銀行の手助けで債務を隠していた疑いが浮上しているという記事。
「問題を指摘したのは米紙ニューヨーク・タイムズ。それによると、ギリシャは今後見込まれる空港税や宝くじ収益を担保にしてデリバティブ(金融派生商品)取引にかかわり、財政赤字を穴埋めしていた。
報道によると、ギリシャはこの資金を為替取引などで得たように見せ掛け、財政赤字額がはっきりわからないようにした。取引は二〇〇〇年以降の一定期間続き、投資銀行のうち大手のゴールドマン・サックスはギリシャに数十億ドル(数千億円)を融通、〇一年の取引だけで約三億ドルの手数料を稼いだという。」
デリバティブ取引というのは、別の報道によれば、スワップ取引だそうです。具体的にどういうからくりだったのかはよくわかりませんが、スワップ取引は、将来キャッシュフローを契約当事者間で交換する取引ですから、キャッシュフローが発生するタイミングをずらせば、貸付・借入と実質的に同じになるのでしょう。
ギリシャ:ゴールドマン支援スワップ取引、EU統計局の認識も焦点
「サルデリス氏によれば、ゴールドマンがまとめた取引は、ギリシャのドルと円建ての債務約100億ドルのクロス通貨スワップから成り、ヒストリカル為替レートを用いてユーロへのスワップを実行した。債務削減と同時に約10億ドルを調達する仕組みだが、スワップ取引が統計上の赤字ないし債務をどの程度減らしたかについて、サルデリス氏は詳細な言及を避けた。」
東証:BNPパリバ証券東京支店に過怠金
これと比べれば、日本の不動産会社の不正開示に海外金融機関が関与したというのは、全く小さな事件なのかもしれません。
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