金融庁の公認会計士・監査審査会のサイトに、監査監督機関国際フォーラム(IFIAR)の「2019年検査指摘事項報告書」(原文)と、プレスリリース(原文・仮訳)が掲載されました。
「本日、IFIAR は、6大グローバル監査法人ネットワークに加盟している監査法人に対して、IFIAR メンバー当局が個別に行った検査に基づく8回目の年次検査指摘事項調査の結果に係る報告書を公表した。IFIAR は、法人全体の品質管理態勢に対する検査、及び、個別監査業務に対する検査の2種類の活動に係る情報を収集した。
2019 年調査への IFIAR メンバー当局の報告によると、検査を行った個別監査業務のうち、1つ以上の指摘があったものは 33%だった。それに対し、2018 年調査では 37%、指摘率を初めて計測した 2014 年調査では 47%であった。IFIAR は、この減少のトレンドに勇気づけられている一方、現在も指摘率が引き続き高いことから、GPPC1とそのメンバーファームに対し、監査業務の改善のための取組を継続するよう求める。」
(プレスリリース仮訳より)
指摘項目別の推移は...

左から、会計上の見積り、内部統制のテスト、監査サンプリング、財務諸表の表示・開示の十分性、収益認識です。
監査事務所の品質管理については...

上から、監査業務の実施、独立性・倫理に関する要求事項、人的資源管理、モニタリング、監査クライアントに関するリスク評価・監査受嘱継続手続、事務所の監査品質に対する指導部の責任、です。
(金融庁の仮訳は「監査法人」となっていますが、会計士協会の報告書で使われている訳だと「監査事務所」です。「監査法人」は、専門用語としては日本の公認会計士法上の制度ですから、「監査事務所」の方が適切でしょう。)