日本航空の中間連結決算(2009年9月第2四半期)で、営業損益が957億円の赤字、純損益が1312億円の赤字となったという記事。
「巨額損失を計上したうえ、企業再生支援機構の支援が正式に決まっていないことから、中間決算に、企業の事業継続に問題があると投資家に知らせる注記をつけた。新日本監査法人も監査報告書で追認した。」
四半期報告書の監査報告書では以下のような追記情報が記載されています。(EDINETより)
「継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は重要な営業損失を計上し、借入金の返済条項の履行の困難性が認められることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。なお、当該状況に対する対応策及び重要な不確実性が認められる理由については当該注記に記載されている。四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な不確実性の影響は四半期連結財務諸表に反映されていない。」
四半期財務諸表の注記では、継続企業の前提に関する事項の中で以下のように記述しています。
「当社は、株式会社企業再生支援機構に対し、当社グル-プの再生支援を依頼し、再生支援に関する事前相談を開始しているところ、この事業再生計画案は、株式会社企業再生支援機構の検討結果を踏まえたものではなく、今後、株式会社企業再生支援機構との協議によって変更される可能性がある。当社は、関係各位の皆様のご理解を得て、事業再生計画案を実行したいと考えているが、現時点では事業再生計画案に関する関係各位の皆様との合意が行われていないため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。」(抜粋)
「合意」が完全になされるまでは、「重要な不確実性」が残るということでしょうか。
継続企業の前提に関する注記がなされたとはいえ、貸借対照表をみると、債務超過にはなっていません。純資産は前期末から少し減っていますが、巨額の純利益赤字の相当部分を、繰延ヘッジ損益のマイナスが減ったこと(前期2000億円、第2四半期約1000億円)により、まかなっています。
純利益では巨額赤字、(現行基準では表示されていませんが)包括利益では(小さくはありませんが)そこそこの赤字(約400億円?)という結果です。
日航、最終赤字1312億円 4~9月期、自己資本比率1.8ポイント悪化
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