日本版SOX法(内部統制の評価・監査)対応のために、あわててIT企業の宣伝に乗ってはいけないと主張するコラム記事。(といっても、ちゃっかりERPパッケージのメリットも書いていますが・・・)
「J-SOX法の対応を行う際には、最初にITの導入を考えるのではなく、まず業務の流れを整理して業務フローを作成し、そこにどのようなリスクがあり、それに対応するためにどのような内部統制が必要かを考える必要がある。そして、その内部統制の手段としてITを活用することが有効であれば、ITを導入するという基本的なスタンスを守ることが重要である」という結論は正論だと思います。
このコラムの中でもふれていますが、日本の内部統制基準(企業会計審議会)では、内部統制の構成要素の中に米国基準では入っていないITを含めています。私見では、これは米国と違う内容を入れたかった学者の見栄と、ITへの需要喚起をねらった電機メーカーの思惑によるものです。日本の内部統制の要素として、基準上ITが加わったからといって、米国の実務と違うことをやるということは考えられません。
そもそも内部統制の監査を行う会計士自身が、ITに関してはいま一夜漬けで勉強している最中です。立派なITシステムを作って会計士を待ちかまえていても、「猫に小判」のケースがほとんどでしょう。会計士が関心を持っているのは、決算数値が出てくるまでの過程で、会社がどのように有効なチェックをかけているかということであり、それが最新のITシステムによるものか、旧式のシステムによるものか、あるいは、手作業によるものかは、多くの場合、どうでもよいことです。
小石川経理研究所の本棚
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