KPMGが、「AIを用いたこれからの財務報告と監査」(AI infinancial reporting and audit: Navigating the new era)という調査レポートを公表したそうです。上記は、そのプレスリリースの日本語版。
「KPMGインターナショナル(チェアマン:ビル・トーマス)は、主要10カ国の1,800社を対象に実施した「AIを用いたこれからの財務報告と監査」を発表しました。本調査によれば、すでに4分の3(72%)の企業が財務報告プロセスにおいて人工知能(AI)を試験的に導入または使用しており、この割合は次の3年間でほぼ全世界的なレベル(99%)に拡大すると見られています。
同時に、企業は監査人がより積極的で予測的な監査を推進するために、これまで以上にAIを活用することを期待しています。また、企業がAIを活用することで、財務報告の洞察力、精度、効率性を高めていることが明らかになりました。」
残念ながら、英語版(全28ページ)だけのようですが、プレスリリースで、比較的詳しく内容を紹介しています。
その要約。
「主な調査結果
- 企業の約4分の3が財務報告にAIを試験的に導入または使用しており、3年後には99%に上昇する見込み
- 企業は監査人が変革をリードし、AIに対する保証を提供することを期待している
- 82%の企業が、自社の監査人が財務分析におけるAI導入において、自社と同等または先行していると考えている
- CFOなどの財務部門の責任者は、AIを活用して監査の品質向上や予防的な監査プロセスの開発、データ分析の強化を企業の財務報告体制に組み込むことを期待している
- AIの導入により、効率的かつ効果的な財務報告体制や経理体制を作ることができ、リスク識別と異常検出の精度が向上し、意思決定の改善が期待できる
- AIの積極的な活用には多くのメリットがある一方、データのセキュリティや倫理的な課題は残る。CFOはAI戦略を事業戦略に取り入れ、強固なAIガバナンスフレームワークを確立し、戦略的なAI技術とスキルへの投資を進めることが重要である
- 生成AIは、今後1年間における財務報告における最優先の技術である」
日本を含む10カ国を対象に、1800社を調べたそうです。
会計事務所がまとめたものだけに、AI導入における監査人の役割を強調しているようです。
AIが作った財務情報をAIが監査し、その公表された財務情報をAIが読み込んで分析するというようになるのでしょうか。