大手監査法人なども参加している「ESG情報開示研究会」という団体(当サイトでも取り上げました)のキックオフミーティングが開催されたという記事。
「北川哲雄研究会代表理事・研究会座長は、「世界10ヵ国の統合報告書分析では日本は第8位。パフォーマンス(実行力)評価は最下位」とESG情報開示の現状に警鐘を鳴らした。」
「北川座長が述べた世界10ヵ国の統合報告書分析とは、ロバート・エクルズ英オックスフォード大客員教授等が2019年3月に発表した論文「A Comparative Analysis of Integrated Reporting in Ten Countries」である。」
「統合報告書の評価項目は、IIRC(国際統合報告評議会)による国際統合報告フレームワークなどを基に、「マテリアリティ」「リスクと機会」「戦略と資源配分」「パフォーマンス」「今後の展望」の5項目だ。
日本は、「マテリアリティ」「戦略と資源配分」の評価は平均に近かったが、他の3項目は低く、「パフォーマンス」の評価は最下位だった。」
こちらは投資する側の見方。
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急拡大するESG投資で日本が抱える最大の課題
白井教授が語るエンゲージメントの重要性(東洋経済)
「エンゲージメントというのは、委託された運用会社が運用対象先の企業に対し、直接の対話や議決権行使などを通じ、経営の改善を働きかけることをいう。ESGはその中心的なテーマとなっている。」
「日本企業は欧米企業と同様、運用会社などからエンゲージメントを求められたら積極的に受け、説明責任を果たし、情報開示を改善することが要請されている。ESGの取り組みを説明するサステナビリティレポートや統合報告書を毎年発行する企業も増えている。」
「「これからの課題としてはESGの中のEとSが大きい。Sは(労使関係や女性の活躍促進など)いろいろな問題が入っているため、情報開示の標準化が難しい。Eは気候変動に関して開示が必要な情報はある程度わかっているが、現時点では各社バラバラなので、今後は情報開示の標準化をどう図るかが課題となる」と言う。」
「一方、ESG投資の問題点としてはこう指摘する。
「開示レポートを美しく見せかけて、実態が伴っていないグリーンウォッシュの問題がある。また、ESG評価会社が乱立し、同じ企業に全然違う格付けをしているという整合性の問題もある。各社の重視する点が違うので、参考にはなるが、鵜呑みにできない。ESG特化の株価指数にも電力会社が採用されていたりする。まだまだESG投資は過渡期にあり、株価にもゆがみが出やすい」
企業の取締役会のガバナンスについても「改善しているが、まだ独立社外取締役が少数で、ESGへの理解が乏しい取締役も多い」。」
「日本の最大の問題点について白井氏は、「パリ協定の目標達成に向けた政府の方針がハッキリしないこと」を挙げる。」
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