中国恒大に清算命令、オフショア債務巡り香港高裁 本土市場に影響も
香港の裁判所が、中国恒大集団の清算を命じたという記事。
巨額負債を抱えている会社です。
「3000億ドル超の負債を抱える中国恒大は2021年にデフォルト(債務不履行)に陥り、中国の不動産不況が深刻化。
同社は約2年にわたり230億ドルのオフショア債務再編計画について債権者団と協議してきたが、当初の計画は昨年9月、創業者の許家印氏が犯罪に関与した疑いで拘束されたことを受けて頓挫していた。
香港の投資会社トップ・シャインは22年6月に恒大の清算を申し立てた。保有する恒大子会社の株式について、恒大が買い戻す約束を果たさなかったとしていた。」
中国恒大に香港の裁判所が清算命令-金融システムに波及の恐れ(ブルームバーグ)
「今回の清算命令は、中国の経済成長を妨げ、消費者の信頼感を損ねてきた不動産危機の最大の象徴として、中国恒大の立場を確固たるものにした。また、当局が株式相場の大幅下落に歯止めをかけようと取り組むタイミングで、中国の金融システムに影響が波及する可能性もある。
2021年12月にドル建て社債で事実上のデフォルト(債務不履行)に陥った中国恒大はこの10年、販売ベースで国内最大の開発企業だった時期もあった。」
PwCが監査人でしたが、2023年1月に退任しています。
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(補足)
日経は社説でも取り上げています。
「恒大の経営危機が2021年夏に表面化してから、すでに2年半がたつ。問題を先送りしているうちに、危機はいっそう深まった。23年6月末の時点で恒大の債務超過額は6442億元(約13兆円)に膨らんだ。」
「中国政府は法的整理に慎重な姿勢を取り続けている。代金を先払いしたのに住宅の引き渡しを受けていない個人をはじめ、幅広い取引先に影響が及ぶからだ。社会不安をおそれる習政権は、関係者に痛みを強いる措置の発動をためらっている。」
「気になるのは中国でスパイ摘発を担当する国家安全省の動きだ。市場関係者の間では、同省が一部の空売りは金融不安を引き起こす狙いがあるとして、スパイ行為に認定するのではないかとの懸念が広がっている。」