帯広畜産大で、公的研究費を別の研究機器の購入に充てるなどした不適正な会計処理が、約4億9000万円あったという記事。
「帯広畜産大によると、関与していたのは現職34人と、転・退職した20人の計54教員。年度内に研究費が使い切れなかった際に、教員が研究用の消耗品や試薬などを買ったように見せかけ、業者に預け金としてプールさせたり、別の研究機器の購入費に充てるなどしていた。うち3人は国際研究集会の開催名目の経費を個人口座に入金したり、海外出張に同行した妻の旅費に充てたりし、計約3640万円を私的に流用した。」
国税局の指摘がきっかけで発覚したとのことです。研究費の不正は、少し前から社会的問題になっていたので、減っていなければならないはずですが、まだ残っていたようです。
国立大学法人なので、監査人はおそらく大手の監査法人だと思われますが、どういう対応を行っていたのでしょうか。
公的研究費等の不適切な会計処理について(帯広畜産大学)
調査結果の概要が公表されています。個人別の不正の内容も明らかにされています。これをみる限り、あからさまな私的流用はあまりなかったようです。
ただし、例えば、不正金額が最大な人物の調査結果では、公私混同があって、相当大きな金額が私的流用とされています。
「平成14 年度以前から平成17 年度にかけて、取引業者と示し合わせて架空の支払いに必要な書類を本学に提出し、本学が業者に入金した 62,241,363 円を預け金とした(このほか、平成 14 年度末時点の業者の残高 85,039,086円と本学の会計手続きを経ない資金 3,000,000 円を確認)。この預け金により、平成 15 年度から平成 22 年度にかけて、研究に使用する備品、消耗品、試薬等を購入し、一部を旅費等に支出した。このほかに、業者から自身の銀行口座に国際シンポジウム運営費として振り込ませた 6,000,000 円を含め、教育研究目的として使用したことを明確に説明できない約 35,000,000 円については私的流用と判断せざるを得ない。 」
24大学・短大、調査委を設置 研究費不正経理疑惑(朝日)
朝日が報道した精密機器卸会社への「預け金」の問題も、影響が広がっているようです。
「大学・短大の教授らによる研究費の不正経理疑惑で、疑惑が浮上した57大学・短大のうち、少なくとも24大学・短大が調査委員会を設けたことがわかった。」
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