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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

土地信託事業:大阪市の無策指摘 外部監察が報告書(毎日より)

土地信託事業:大阪市の無策指摘 外部監察が報告書

大阪市が大損害を被った土地信託事業について、市の外部監察チームが報告書を発表したという記事。

約919億円を賠償することになった大阪市の土地信託事業を検証した市の外部監察チームは1日、報告書を発表した。」

「橋下徹市長の指示による検証は、商業ビルの「オスカードリーム」(住之江区)と「オーク200」(港区)が対象。いずれも市が賠償金を払うことで信託銀行などと和解した。

報告書によると、オスカーは1995年の開業直後から賃料収入が見積額の約3分の1にとどまり、オークも開業翌年の94年には事業終了時に巨額の債務が残ることが予想された。外部からも同様の懸念が市に指摘されていた。

しかし、オスカーについては「解決策の模索を始めたのは2005年末になってからだった」と指摘。オークも06年からようやく対策を講じるなど、市の対応が遅すぎたと批判した。」

大阪出張の際に、このオスカードリームの中のホテルに泊まったことことを思い出しました。

報告書はこちら

土地信託事業に係る外部監察チームからの報告書の受領について(大阪市)

信託銀行が持ってきたうまい土地活用話に乗ってしまったのが運のつきだったようです。信託の仕組みを使い、大阪市は土地を提供するだけで、あとは信託銀行に運営を任せて、何もしないで配当が得られるともくろんでいたわけですが、事業のリスクは大阪市が負う契約になっていたため、最終的には大きな損失を被ることになってしまいました。オフバランス取引の恐ろしさともいえます(地方自治体の場合は貸借対照表を作っていないのでオフバランスというのもおかしいのですが)。

報告書を見ると、10年ほど前の包括外部監査でこの件に関して指摘があり、それへの対応が不十分だったことも今回の報告書でふれています。もともとの事業計画がずさんだったようですから、外部監査の指摘どおりにしていたとしても、手遅れだったでしょうが、出血は少し減らせたのかもしれません。

大阪市土地信託賠償金 外部調査の結果判明(日本テレビ)

「両施設を巡っては、事業を請け負った金融機関側に、市がそれぞれ、637億円、283億円の賠償金を支払うことで和解が成立している。外部監察チームは、「どちらも早い段階で多額の損失が出る可能性が指摘されていたにもかかわらず、市は積極的に対策を取らなかった」と指摘。」

大阪市が和解、3銀行に637億円支払いへ オーク補償(朝日)(2014年7月)
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