会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

アップル社債発行、1.6兆円規模に 過去最大級(日経より)

アップル社債発行、1.6兆円規模に 過去最大級

米アップルが、総額170億ドルの社債を発行するという記事。

「米アップルは30日、6種類の社債を発行すると明らかにした。欧米メディアによると調達額は総額170億ドル(約1兆6500億円)に達し、金融機関を除く米企業の社債発行額としては過去最大級の規模。アップルは調達資金を配当や自社株買い入れなどにあて、約1千億ドルに増やす計画の株主還元策を進める。」

アップルは、多額の現預金を米国外の子会社で持っているようですが、株主還元資金としてそれをアップルに配当させると、米国で追加的に税金がかかってしまいます。そのため、それは温存しておき、社債で資金調達をするということのようです。

「アップルは3月末で1446億ドル(約14兆600億円)と、豊富な手元資金を抱える。ただ、7割近くは米国外にあるとみられ、米国内に資金を戻した際に支払う税金の額と、資金調達コストが低い債券市場の現状を比べて、社債を発行した方が有利だと判断した。」

米国会計基準はよく知りませんが。おそらく会計的にも、外国子会社から配当するということになれば、追加的な税金部分を繰延税金負債に一挙に計上しなければならないのでしょう。配当や自己株式の取得といった資本取引では損益は発生しませんが、そのための資金を海外子会社からもってくると、税金費用が発生するということになります。

アップルの例では、何が何でも税金は払わないという米企業の執念を感じます。

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