つくばエクスプレスを運営する会社が、領収書の控えを1年間で廃棄していて、税務当局から指摘されたという記事。
「つくばエクスプレス(TX)を運営する「首都圏新都市鉄道」(東京都台東区)が、法人税法で7年間保管するよう定められている領収書の控えを1年間で廃棄していたことが1日、同社への取材で分かった。全20駅で開業以来約11年間続いていた。国税当局から同法違反を指摘され、口頭で是正指導を受けた。」
「同社によると、廃棄していたのは、乗客が購入した定期券や回数券などの領収書の控え。」
同社の平成26年度・27年度の決算を見ると、平成26年度は法人税等がほとんど発生していません。また、累損もまだ残っているようです。たいして税金は取れそうもないので、いままでは税務調査もあまかったのでしょうか。
監査論の先生もコメントしています。
「領収書の控えは企業決算の基礎資料であるだけでなく、横領などの社内不祥事が起きた際に実態を把握するための重要な資料にもなる。企業監査に詳しい北海道大学の蟹江章教授(会計監査論)は「明らかなコンプライアンス違反で、保存期間の意味を考えるべきだ。内部統制の意識の低さの表れだ」と指摘した。」
「定期券や回数券などの領収書の控え」だとすると、もし、発券がシステムによって行われ、その記録が網羅的にデータとして残っているのであれば、紙の控えを残す意味はあまりないようにも思われますが。
帳簿書類等の保存期間及び保存方法(国税庁)
「法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した書類(以下「書類」といい、帳簿と併せて「帳簿書類」といいます。)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注2)保存しなければなりません。」
国税庁のタックスアンサーでは、「帳簿書類」の例として領収書は挙がっていますが、領収書の控えは出てきません。売上帳は例示されているので、領収書控えが売上帳の代わりになっているのであれば、帳簿書類なのかもしれません。「取引等に関して作成又は受領した書類」だといわれれば、そうなのでしょう。
平成27年度営業実績(つくばエクスプレス)
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