会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝の不正会計問題、日本の低い監査報酬が浮き彫り 質に懸念(ロイターより)

東芝の不正会計問題、日本の低い監査報酬が浮き彫り 質に懸念

東芝粉飾事件の背景に、日本企業の監査報酬が低いことがあるのではないかという記事。

「一部の専門家によれば、監査報酬が歴史的に低水準に抑えられてきたことや競争が厳しいことに加えて、監査の機能を軽視する企業文化が低報酬の原因となっている。

GMTリサーチのパートナー、ロバート・メッド氏は「日本の上場企業が支払う監査報酬は国際的な平均と比べて著しく低い」と指摘する。」

具体的な数値(売上高に対する比率で表しています)は、記事をご覧ください。

たしかに低いのですが、英国と米国でも倍違います(英国<米国)。どの水準が適正なのかは、一概には言えないような気もします。

東芝は、英米と比べて低い日本企業の平均より、さらに低くなっていますが、これは、会社の規模の関係でしょう。通常、規模が大きくなるにつれ、売上高との比率でみた監査報酬は低くなります。

なお、「日本ではこれまで規制によって監査費用の上限が決められていた」という箇所は間違いでしょう。以前、協会が定めた標準報酬表はありましたが、それで報酬が制限されていたわけではありません。ただ、報酬を決めるときは、標準報酬を出発点にして、そこからいくら引くかという交渉になるので、実質的に上限になっていたといえなくもありませんが・・・。

ベーシスポイント(金融用語集)
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