東芝が内部管理体制の改善報告を公表したという記事。内容的にはすでに報道されているような内容ばかりですが、会社自ら認めたという点に意味があるのでしょう。
「報告書は過去の経営方針がゆがんでいたと指摘。会計不祥事を引き起こした時期に社長だった西田厚聡氏、佐々木則夫氏、田中久雄氏は「財務会計の厳格さに対する真摯な認識が欠けた」とし、「短期的な利益を過度に追求する方針を踏襲してきた」と指摘した。
トップの強要をけん制すべき取締役会や指名委員会、監査委員会、内部監査部門は十分に機能せず、ガバナンスが形骸化したとし、社外人材登用など改善策を記した。「経営者の要求を実現することが最大の責務と認識するような風土」の改善に向けた意識改革の進捗も説明した。
東芝を苦境に陥れた米原発事業の巨額損失については、経営判断のプロセスと子会社の管理体制に問題があったとした。
東芝は06年に約54億ドル(現在のレートで約6100億円)でWHを買収した。11年の福島第1原発の事故後、経営環境は一変したが、その後もWHは拡大戦略を選択。15年に原発建設を手がける米建設会社を買い取り巨額損失の要因となった。
報告書では「既に成立した企業買収(=WH買収)を意識するあまり、リスク認識やリスク負担の許容性の判断に無意識のバイアスがかかった可能性がある」とした。「成長ありき、買収ありきの考え方で進めたリスク管理プロセス」に問題があったと指摘した。
東芝は13年に米テキサス州で液化天然ガス(LNG)供給事業に参画し最大で1兆円の損失を招きかねないリスクを抱えている。報告書は「契約は当時の経営トップが本件の推進に前向きな姿勢をみせる中で締結に至った」とし、リスク判断に甘さがあったと認めた。」
最後の点に関しては、引当てをまったくしていないようですが、大丈夫なのでしょうか。
東芝に眠るもう一つの火薬庫 誤算で1兆円損失の恐れ(産経)
<東芝>報告書で「不正会計」表現 反省の意思明確に(Yahoo)(毎日新聞配信)
「東芝が内部管理体制の改善報告書を公表し、不正会計問題について同社がこれまで使ってきた「不適切会計」から「不正会計」へと表現を改めた。反省の意思を明確にするためという。」
会社が自ら不正会計といっているのに、日経記事ではいまだに「会計不祥事」です。
「内部管理体制の改善報告」の公表について(東芝)(PDFファイル)
40ページほどのものです。
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