一橋大院商学研究科 クリスティーナ・アメージャン教授
一橋大学のクリスティーナ・アメージャン教授(三菱重工業や日本取引所グループ(JPX)の社外取締役を務めているそうです)に、日本の社外取締役について聞いたインタビュー記事。
末尾の部分より。(大学院の先生の発言なので、我田引水なところがあるのかもしれませんが)
「――社外取締役をめぐる今後の課題は何でしょうか。
「一番の課題はマネジメントのための人材が育っていないことです。社外取締役を務めるための十分なビジネスの基礎知識、ビジネスナレッジを備えた人材が足りないのです。社外取締役に限らず、日本の経営者、マネジメント層は基本的なMBA(経営学修士)の知識が不足しています。ハイレベルな知識を求めているのではありません。最も基礎的な知識を欠いているのです。厳しいようですが、幼稚園レベルです」
「米国ではマネジメントに携わる人たちがみな、ビジネスナレッジを共有しています。会計や財務、マーケティングなど、共通のランゲージ・オブ・ビジネスで話しています。ですから、社外取締役として会社に入っても、いろいろみれば、『だいたいこんなもの』とコミュニケーションをとることができます。日本ではまだまだそうではありません。ですから結局、『うちの会社には独特のDNAがある』とかいってしまうのです」
「まだまだビジネス教育が足りません。欧米では結構高額ですが1週間、ビジネススクールへ行って、泊まり込みでケーススタディーをやったりするなど、充実したプログラムがありますが、日本はまだそうした研修がありません。もっとトレーニングすべきでしょう。足りないのはスキル(技能)ではありません。ナレッジ(知識)です。人材はいるのですから、企業はそうした研修を導入すべきでしょう」
スキルだとすぐには身につかないかもしれませんが、知識不足が課題なら、改善は難しくないのかもしれません。
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