独フォルクスワーゲン(VW)社が、2015年決算でディーゼル車の排ガス試験不正問題関連費用として162億ユーロを計上するという記事。これで純損益は赤字となるそうです。
「同社が通年ベースで赤字に陥るのは1993年以来初めて。赤字幅は最悪の規模となる。VWは不正対策費用の全容が不透明として15年決算の発表を延期していたが、28日に正式に発表する。」
15年決算というのは、2015年12月期決算です。前の年と比べて1ヶ月以上延期したようです。同じような不正をやった日本の三菱自動車は、何もなかったかのように、予定どおり今週決算発表をするのでしょうか。
「ノルドLBのアナリストは「米当局との合意は今後5─10年にわたり継続する問題の中間的な措置でしかない」とし、「VWが直面する危機はまだ始まったばかりだ」と述べるなど、アナリストの間では排ガス不正問題による損失はさらに膨らむ恐れがあるとの見方が出ている。
一部アナリストはVWの排ガス不正問題関連費用は約300億ドルに膨らむと予想。ただ、ミュラー最高経営責任者(CEO)は全体の費用を現時点で予測することはできないとし、15年決算が赤字となったことが人員削減に直結するわけではないとの立場を示した。」
合理的な見積りができないといって、1円も引当てしないか、確定した分しか引当てしないのが日本基準、発生可能性が高ければ、見積りに幅があっても、できるだけ引当てするのがIFRSということでしょうか。
VW社のプレスリリース。臨時損失を引く前では順調だと強調しています。決して弱みを見せないという方針のようです。
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Volkswagen Reports Robust Operations in Fiscal Year 2015 – Special Items Impact on Result for the Year
The Volkswagen Group’s operations developed very robustly in fiscal year 2015 in spite of the emissions issue.
不正に関する調査の進捗状況についてのプレスリリース。
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Statement by Volkswagen AG regarding the status of the comprehensive investigation in connection with the diesel matter
65百万件の文書を電子的にレビューし、そのうち10百万件が弁護士のレビューに回されているそうです。
【三菱自動車不正】開発部門に強いプレッシャー「物を言えない環境では」 熾烈な競争…部長級2人が退職の“事件”も(産経)
三菱自、17年3月期業績予想は見送りへ 燃費不正の影響で=関係筋(ロイター)
決算発表は予定どおりやるようです。
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