オリンパスが米当局への罰金539億円を2015年3月期に特別損失として計上するため赤字になるという記事。
「オリンパスは8日、医療機器を扱う米国の子会社が医師らに不当なリベートを支払っていた疑いがあるとして、米当局への支払いが見込まれる罰金539億円を特別損失として計上したと発表した。同日発表した2015年3月期の純損益は、昨年5月に予想した450億円の黒字から87億円の赤字に転落した。
米国では、自社の製品を買ってもらう見返りに医療関係者らに金銭を渡したり、接待したりすることを禁じる法律がある。オリンパスは06~11年にこの法律に違反した疑いで米司法省の調査を受けている。広報は「調査中なので詳細はお答えできない」としている。」
第3四半期(2014年4~12月)の四半期報告書では以下のように開示しています。
「当社の米国子会社であるOlympus Corporation of the Americasは、医療事業に関して、平成23年11月より米国司法省の米国反キックバック法及び米国虚偽請求取締法に基づく調査を受けておりましたが、当第3四半期連結会計期間において司法省と本件の解決に向けた協議を始めました。今後の進行状況等によっては当社グループの連結業績に影響が生じる可能性があります。」(「事業上のリスク」より)
平成23年11月から調べられていたとすると、これ以前にも何らかの開示が行われていてもおかしくないのですが、例えば、2014年3月期の有報を見てもまったくふれていないようです。
大きな粉飾事件を起こした前科のある会社ですから、本当に2015年3月期にならなければ損失を計上できなかったのか、また、これまでの開示は十分だったのか、当局は十分に調べるべきでしょう。
当社子会社に対する米国司法省の調査に係る特別損失の計上及び通期連結業績予想と実績値の差異に関するお知らせ(オリンパス)(PDFファイル)
ソニーはうまいタイミングでオリンパス株を売却しています。
ソニーがオリンパス株の半数売却、成長投資へ現金確保(4月1日)(ロイター)
オリンパスに関しては、雑誌FACTAが報じている別の問題もあるようです。米国の報道でも取り上げられています。
Scope maker Olympus faces scrutiny over patient deaths, infections(Los Angeles Times)
オリンパスに米FDAが査察に入った(FACTA)
Notice Concerning Media Reports on Our Duodenoscope in the U.S(オリンパス)(PDFファイル)(日本語版は見つかりませんでした。)
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