大林組が、ドバイで受注した鉄道「ドバイ・メトロ」の建設工事が「業績に影響を与える可能性がある」と発表したという記事。
「鹿島などと3社で構成する共同企業体(JV)で工事を2280億円で請け負ったが、実際は「3倍程度」に上ぶれする見込み。大林組がドバイ・メトロで損失の可能性を公式に認めたのは初めてで、代金回収に向け発注者のドバイ政府道路輸送局(RTA)と交渉を継続する。」
記事でふれている決算短信では以下のような開示になっています(「連結業績予想に関する定性的情報」の中の「事業等のリスク」)。
「当社は他社と共同で、平成17年7月にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ道路交通局から総延長約70kmの都市交通システムの建設工事部分を約2,280億円で受注しました。(当社シェア50%)
その後、発注者から駅舎の内外装ほかで大幅な設計変更や追加工事の指示があり、最終的な工事費用は概ね当初の3倍程度と想定され、建設工事部分の完成は平成22年度を見込んでいます。
現在、設計変更及び追加工事に伴う請負金の増額に関し、発注者と鋭意交渉を行っていますが、交渉長期化の可能性を斟酌すると、その交渉状況によっては今後の当社業績に影響を与える可能性があります。」
工事費用が3倍になったということで、それに見合う請負金の増額が、交渉の結果、得られるかどうかがリスクだということなのでしょう。
ちなみに鹿島の決算短信でも同様の開示がなされていました。
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