ライブドア株について、堀江容疑者らが有価証券報告書の虚偽記載容疑で再逮捕・起訴されるか、証券取引等監視委員会が同容疑で告発した場合に、上場廃止が決定される見通しであるという記事。
東証の上場廃止基準に抵触する以上、上場廃止はやむを得ませんが、同じ粉飾決算でもカネボウなどの場合とは違うようにも思われます。
カネボウの場合は、連結はずしにより、在庫の評価減や債権の貸倒引当金繰り入れを免れていたことなど、会社の純資産に大きな影響を与える粉飾でした。在庫の水増し、架空売上による売掛金、債務計上の先送りなど、カネボウに限らず、通常の粉飾は純資産に影響を与えるものばかりです。
一方、ライブドアの場合は、自社株の売却益を資本直入ではなく、金融収益や広告収入の売上に計上していたというのが、最も大きな手口です。たしかに財務諸表をゆがめる粉飾決算であり、投資家を欺く偽計取引には違いありません。しかし、純資産に与える影響は全くありません(ほかに粉飾をやっていないことが前提ですが)。
結局、影響の大きさを損益計算書でみるのか貸借対照表でみるのかという問題になります。東証は、いったいどちらで判断するのでしょうか。
参考:上場廃止基準概要
(これによると「「虚偽記載」を行った場合で、その影響が重大であると当取引所が認めたとき」に上場廃止にするようですから、「影響が重大」な虚偽記載かどうかを東証が判断することになります。 )
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