事業を分割して新会社を作りその株式を株主に交付するというスピンオフに関して、税制が見直されてやりやすくなるという記事。
「東芝のように追い込まれてリストラする企業が減るのでは。株式市場でそんな期待を集める制度が4月に導入される。企業が事業を新会社として切り出す際に税金がかからなくなる「スピンオフ税制」だ。大企業の新陳代謝を促して長期的な収益拡大につながるとの見方もある。」
米国の例が挙げられています。
「化学業界で過去最大のM&Aとなった米総合化学大手のダウ・ケミカルとデュポンの経営統合。合併後の「ダウ・デュポン」は元の2社の強みを持ち寄り、農薬・種子など3事業を分割(スピンオフ)し、3つの新会社を上場させる。
元の企業は既存株主に新会社の株式を割り当て、分離先に支配権が及ばない。こうしたスピンオフは税負担が生じず、独バイエルや米ヒューレット・パッカードなどの大企業が活用してきた。」
これが来年度から無税になるとのことです。
会計処理の話は出ていませんが、損益を認識した上で、新会社株式を株主に現物配当するという処理なのでしょう(新会社株式の時価で計上)(基準等は未確認)。
株主への配当ということになるので、東芝のようにどうしようもない状態になってしまうと、配当可能な剰余金もないでしょうから、スピンオフもできないのでしょう。
また、スピンオフで、株主は、新会社株式を受け取るわけですが、上場会社の場合、その新会社がすぐに上場されないと、換金性の面で不利になってしまいます。この点も何か手当てをしないとやりにくいのでは。
平成 29 年度税制改正の大綱(財務省)(PDFファイル)
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該当するページは、53ページからです。
2017年税制改正によるスピンオフ税制とスクイーズアウト関連税制の創設等(PwC)

(PwCのサイトより)
事業部門のスピンオフに係る新たな税制の創設 ~平成29年度税制改正による適格スピンオフ~(税務研究会)