会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

野村證券・元トップセールスマンが明かす「バブルの狂騒」(現代ビジネスより)

野村證券・元トップセールスマンが明かす「バブルの狂騒」

『野村證券第2事業法人部』の宣伝記事。本はおもしろそうですが、証券会社がいかにでたらめだったのかもわかります。

著者の金沢支店時代のエピソードより。

「ずいぶん無茶な真似をしたこともあります。ある時、先輩から「朝一番で加賀温泉の旅館に行き、郵便配達が来たら『いつも社長がお世話になっています』と言って郵便物を受け取れ。そこに野村證券の運用報告書があれば破り捨てろ」と命令され、その通りにしました。

そのお客さんには3日でばれましたが、「また何千万か損したことがわかると、取り返す気がなくなるでしょう。損を知らないままのほうが思い切って勝負できますから」と言い訳し、なんとか許してもらいました。」

監査人が投函した残高確認状を粉飾会社の社員が郵便局をだまして取り戻したという事件を思い出しました。

オリンパスとの関わりは...

「ブラックマンデーで巨額の損失を抱えた会社にオリンパスがあります。私は当時、ワラント(新株予約権)と鉄鋼株を使って、この損失をすべて穴埋めしました。これによってオリンパスの資金運用の責任者だった山田秀雄氏は私を頼るようになり、私はその後の粉飾決算事件に図らずも巻き込まれてしまいました。

オリンパスが粉飾決算事件の際に設置した第三者委員会や東京地検特捜部は、私がオリンパス側から巨額損失の存在を聞かされ、その解消に協力するよう依頼されて、海外のプライベートバンク(PB)の紹介やベンチャー企業株式の売買を行ったという荒唐無稽なシナリオを描きました。」

著者の裁判については...

「1審判決、2審判決ともに有罪でしたが、その判決は多くの矛盾に満ちています。とりわけ重大なのは、私が損失隠しに関わったことを示す証拠はない一方で、関わっていないことを示す証拠がたくさん存在することです。

例えば送金の指示書などで、PBの社員が私に黙って私の名前を書類に記入し、しかもその社員の名前はそこに記されていないといった「偽筆」が多数見つかっています。しかもその社員は証人尋問で偽筆を認め、「PB側にバレていればクビだった」と話しています。

ところが検察側はあくまでも「代筆」と言い張る。もし、このような書類を証拠として認める判決が確定してしまえば、今後はあらゆる商取引で署名の効力が無に帰してしまいます。」

4062204622野村證券第2事業法人部
横尾 宣政
講談社 2017-02-22

by G-Tools
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事