会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

企業決算の救済策検討 公認会計士協会、17日緊急会合(日経より)

企業決算の救済策検討 公認会計士協会、17日緊急会合(注:全文は読めません。)

日本公認会計士協会が、東日本巨大地震の影響で決算を作成できない企業への救済策を金融庁や東京証券取引所などと緊急で協議するという記事。

「同協会は今後、損失計上などを巡る実務指針を策定する方向」だそうです。

電子版はとっていないので、朝刊で読むことにします。

企業は財政状態・経営成績を適正に表示した財務諸表を作成する義務があり、監査人は適正に表示されているかどうかについて意見を表明するわけですが、今のような状況でどこまで厳密に表示すれば適正といえるのか、また、どこまで監査手続を実施すれば適正性に関する意見表明ができるのか、難しい判断かもしれません。

また、損失が確定していないから処理しなくてもよいというものでもないでしょう。

あるいは、経営者・従業員が被災したり、会計記録が滅失したりして、決算どころではないという深刻な例もあるかもしれません。逆に、停電のときにレジを通さずに物を売ったら内部統制の不備なのかというような細かい問題もあるでしょう。

さまざまな論点がありそうです。

(補足)

朝刊を読むと「企業は通常、損失額が確定していなくても「合理的な見積もり」に基づき損失を計上するが、今回はそれができないケースが多く見込まれ・・・」という記述があります。

しかし、すでに起こってしまった被害なので、例えば、物的損害であれば通常は損失を確定させることは可能なはずです。決算期間中に調査ができないなどの事情があれば、入手可能な情報に基づき損害額を推計するのでしょう(どのくらい精密に推計しなければならないのかという問題はありますが)。保険会社がいくら保険金を払ってくれるのか、事故などの場合で外部への損害賠償をどれだけ行わなければならないのかといった事項に関しては、将来事象ですから、そもそも見積りで算定せざるを得ません。

見積りすらできないというケースはそれほど多くないのではないでしょうか。

(というようなことを延々と議論してもはじまらないので、おそらく協会が実務的に妥当な線を考えてくれるのでしょう。)
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