英国に本拠を置く携帯電話会社Vodafoneが、イタリアとスペインの事業で、59億ポンドの減損処理を行ったという記事。厳しい市場の状況によるものだそうです。
Vodafone has written down the value of its units in Spain and Italy by £5.9bn which the firm has blamed on the tough market conditions in the two countries.
このため、9月末までの半期決算で、432百万ポンドの税引前損失(前年同期は80億ポンドの黒字)となっています。
The news came as the mobile phone firm reported a pre-tax loss of £492m for the six months to 30 September, against an £8bn profit a year earlier.
しかし、出資先の米国Verizon Wirelessから、配当金85億ドルを受け取るというよいニュースも公表されています。
But there was better news from Verizon Wireless, a US business of which Vodafone owns 45%.
It said on Monday that it would pay an $8.5bn (£5.4bn) dividend.
Vodafoneのプレスリリース
↓
Vodafone announces results for the six months ended 30 September 2012(PDFファイル)
減損については以下のように書かれています。
The Group incurred a total impairment charge of £5.9 billion in relation to the carrying value of goodwill of its operations in Spain and Italy as a result of challenging market conditions and adverse movements in discount rates.(3ページ)
An impairment loss of £5.9 billion was recorded in relation to Vodafone Spain and Vodafone Italy, driven by a combination of lower projected cash flows within business plans and an increase in discount rates, resulting from adverse changes in the macroeconomic environment since March 2012.(10ページ)
減損処理の対象はのれんです。マクロ経済環境の悪化によって生じた予測キャッシュ・フローの低下と割引率の上昇によるものだとされています。
南ヨーロッパ地域の損益状況(15ページ~)をみると、売上が17.5%減(為替レートの変動(-8.2%)の影響を含む)など、悪化してはいますが、利益は出ているようです。それでも、のれんの減損が必要というのは、IFRSに準拠した処理なのでしょうが、なかなか厳しい会計処理だという感じもします。
日本のKDDIも、金額はひとケタ小さいものですが、第2四半期で減損処理を行っています。
KDDI、4~9月の純利益43%減 設備の減損損失など計上(日経)
「・・・800メガ(メガは100万)ヘルツ帯域での周波数再編に伴う旧設備の減損損失などで、合計888億円の特別損失を計上した。」
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