企業会計基準委員会は、「無形資産に関する論点の整理」を2009年12月18日付で公表しました。
「無形資産の会計処理及び開示に関する会計基準を整備するにあたり、特に考慮すべき論点を整理し、関係者からの意見を募集すること」を目的とする論点整理です。
以下、論点と提案内容(おもなもの)の概要です。
【論点1】定 義
・例えば「識別可能な資産のうち物理的実体のないものであって、金融資産でないもの」とする。
【論点2】認識要件
・定義の充足に加えて、(1)経済的便益をもたらす蓋然性、(2)取得原価の測定可能性という2項目を定める。
【論点3】取得形態と無形資産の認識
[論点3-1]個別買入れによる取得
[論点3-2]企業結合による取得
・企業結合により受け入れる場合、識別可能性に関する具体的な内容については、「法律上の権利又は分離して譲渡可能なもの」とする。
[論点3-3]自己創設による取得
<論点3-3-1>社内研究開発費の取扱い
・研究開発に係る支出のうち、開発に係る支出で無形資産の定義に該当し、かつ認識要件を満たすものについては資産計上する。
<論点3-3-2>その他の自己創設無形資産の取扱い
・開業準備活動に関する支出など、無形資産の定義に該当しないか認識要件を満たさないと考えられる特定の支出は、その発生時に費用処理することを明示する・
【論点4】当初取得時の測定
[論点4-1]測定方法の考え方
[論点4-2]取得原価の範囲
【論点5】当初認識後の測定
[論点5-1]基本的な考え方
[論点5-2]償却に関する事項
・耐用年数にわたり、資産に関する経済的便益について企業が消費すると予想されるパターンを反映した償却方法を選択する。
・当該パターンが明確でない限りは定額法による。
[論点5-3]償却を行うことが適切でない無形資産
・耐用年数を確定できないと判断される限りにおいては償却を行わない。
[論点5-4]償却を行わない無形資産の減損
・見直しの必要性を検討する。
【論点6】開示
・国際財務報告基準と同様の開示項目を定める。
【関連する論点】繰延資産に関する取扱い
・「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」を廃止する。
(会計学のテキストから「繰延資産」という章がなくなる日も近い?)
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