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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ソフトバンクG、資産売却8割めど 株安対応には成功(日経より)

ソフトバンクG、資産売却8割めど 株安対応には成功

ソフトバンクグループ(SBG)が、米通信大手TモバイルUSの保有株を売却すると発表し、総額4.5兆円の資産売却は8割にめどがつくことになったという記事。

「SBGはTモバイルに対し、24%の出資分のうち最大16%近くを売る。足元の市場価格から算出すると売却額は最大210億ドル(約2兆2千億円)。Tモバイル親会社のドイツテレコムが2024年までにSBGの残りの保有分の大半を買い取ることができる契約も結んだ。この権利が行使されれば、SBGのTモバイルへの出資比率は1%未満となる。」

しかし、ファンド事業は厳しい状況だそうです。

「ファンド事業の先行きはなお厳しい。逆風が吹くのが、投資先の約4割を占める「交通・物流」分野だ。外出規制に伴いライドシェアの需要が急減しており、米ウーバーテクノロジーズは4月のライドシェアの需要が8割減少した。

有力投資先の一つであるインドの格安ホテル大手OYO(オヨ)ホテルズアンドホームズも売上高がコロナ発生前と比べ、約半分に減っていると明らかにしている。中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)は年内の上場観測が出ているが、好調な企業は少数だ。」

破綻したワイヤーカード社への(あやしい?)投資についてもふれています。

「SBGの傘下にはビジョン・ファンドとは別に、幹部陣や外部投資家が出資するファンドがある。このファンドが19年にワイヤーカードの新株予約権付社債(転換社債=CB)を引き受けた

このファンドにはSBGは出資しないため、ワイヤーカードの株価が急落してもSBGに損失は波及しない。ただ、詳細を公表せず、SBGの資金も入っていないファンドがSBGの事業提携に関係する投資をしていたことになる。」

ワイヤーカードへの投資では、SBGがリスクを負わない(リターンもない?)スキームだったので、SBGはたまたまワイヤーカード破綻で損失を被らずに済んだようですが、もし、SBGの投資のアナウンス効果で業績が回復し株価が上がった場合には、SBGではなく幹部らが利益を得ていたのでしょう。まさに、(ルール上開示が必要かは別として)あやしい関連当事者取引です。こうした取引について、どのようにチェックが行われ、開示がなされているのでしょうか。監査人はスキームの全体像をきちんと把握し、適切に判断しているのでしょうか。

ソフトバンクのワイヤーカードへの投資が注目されているという記事。

SoftBank’s $1 billion Wirecard bet under scrutiny as troubled payments processor fights for survival(CNBC)

2019年4月のワイヤーカードとソフトバンクグループの資本・業務提携について。

Wirecard and SoftBank announced the investment and partnership between the two firms in April 2019. The two structured a 900 million euros convertible note issuance from Wirecard — convertible notes being a type of debt that can be repaid in stock rather than cash.

The notes, which have a five-year maturity, would convert into a 6% stake in Wirecard. Analysts say the deal was structured in such a way that there was no financial risk to SoftBank.

ワイヤーカードの転換社債を巡る取引は、ビジョンファンドなどを運営しているSoftBank Investment Advisors(ソフトバンクグループの子会社)が管理し、Credit Suisseがアドバイザーとなっていました。

The transaction was managed by SoftBank Investment Advisors, the SoftBank subsidiary in charge of its huge $100 billion Vision Fund, and Credit Suisse was hired to act as advisor.

Credit Suisse was not immediately available for comment when contacted by CNBC.

この取引は、昨年6月に株主の承認がなされ、ワイヤーカードは、ムーディーズから、投資適格の格付けを確保しました(その後ジャンクに格下げ)。

The deal was given shareholder approval in June, while Wirecard secured an investment-grade credit rating from Moody’s in August. Moody’s has since downgraded the company’s rating to junk.

9月にソフトバンクグループは、最初の取引をヘッジするような別の取引を行いました。ワイヤーカードの転換社債を別の金融商品にパッケージし直したものとのことです。

In September, SoftBank did another deal, this time looking to hedge against its original bet. The company essentially repackaged the convertible bonds into exchangeables, which are also repaid in stock.

Credit Suisseが、ソフトバンクがこの債券を機関投資家グループに売却するのを手伝ったそうです。ソフトバンクは、これにより利益を計上し、当初の投資を保護することができました。アナリストによれば、この取引は、ソフトバンクが財務リスクを負わないように、組み立てられているとのことです。

Credit Suisse helped SoftBank sell the debt to a group of institutional investors to book early profits and protect its principal investment. This strategy, reported by other outlets including the FT, was confirmed to CNBC by the source familiar with the deal.

Neil Campling, a tech, media and telecom analyst at Mirabaud Securities, told CNBC the transaction “was structured in such a way that SoftBank took no financial risk whatsoever.”

ソフトバンク投資先また危機、仕組み債で痛み拡散(DOL)(記事の一部のみ)

「ワイヤーカードは2019年4月、ソフトバンクグループの系列会社が9億ユーロ(1080億円)相当の転換社債を購入するとともに、同社と戦略的提携を結ぶと発表した。

この案件についてソフトバンクに助言を行ったクレディ・スイスは、この転換社債を証券化し、別の投資家に転売した。9月に完了したこの取引は、低迷していたワイヤーカードの株価を押し上げ、不正会計疑惑に揺れていた同社のカンフル剤となった。」

役員報酬トップ10のうち5人がソフトバンクグループ : 日本人最高は副社長の佐護氏(nippon.com)

「東京商工リサーチの集計によると、役員報酬の最高額はソフトバンクグループのマルセロ・クラウレ副社長COOの21億1300万円。2位は武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長の20億7300万円、3位はソフトバンクグループのラジーブ・ミスラ副社長の16億600万円。日本人最高額は、5位はソフトバンクグループの佐護勝紀副社長CSOの11億1000万円だった。

報酬額の上位10位には、ソフトバンクグループ5人、武田薬品工業3人がランクインしている。」
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