GMの企業年金を例に、米国の年金会計(退職給付会計)を取り上げた記事。
500社の米国企業を分析した結果によると、年金会計の欠陥のおかげで、ほとんどの会社が、純資産を水増しさせているそうです。特に差が大きいのがGMで、もし年金資産・債務をフルに反映させると、380億ドルの純資産の減少となり、株主持分がなくなってしまうほどです。
SECも昨年の秋からGMなど大企業の年金会計を調査しており、規則違反はなかったようですが、年金会計の計算が利益の平準化とむすびついていないか、さらに調べているようです。
FASBの緊急問題タスクフォース(EITF)のあるメンバーの意見では、(遅延認識を認めるような)現行の会計ルールは、企業の本当の財政状態をあいまいにしているといっています。
Rather, he said, his study showed just how much the current accounting rules for pensions can obscure a company's true financial condition.
現行の年金会計ルールの根拠は、年金資産の毎年毎年の変動は、投資家にとって意味のある情報ではないというものです。
The way the accounting for pensions now works, most of the routine ups and downs of a pension fund are kept off the sponsoring company's balance sheet. Instead, they are kept in running tabs that are expected to net each other out over the long term. The argument for doing things this way is that a pension fund is a long-term entity and its year-to-year fluctuations may not be meaningful information for investors.
毎年毎年の変動が長期的には相殺されるという考え方ですが、問題は、ここ2、3年の大きな変動により、相殺されない部分が巨額になってきていることです。FASBも、今月、年金会計の見直しに取りかかったとのことです。
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