企業会計基準委員会は、「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」を、2023年9月22日に改訂しました。
改訂部分が明示されていないので、新規なのかははっきりはしないのですが、「四半期報告書制度の見直しへの対応」という項目が入っています。
「(4) 四半期報告書制度の見直しへの対応
(主な内容)
金融商品取引法上の四半期報告書制度の見直しへの対応として、四半期財務諸表に関する会計基準等の改正又は修正について、検討を行うことを予定している。
(検討状況及び今後の計画)
今後、検討を開始することを予定している。 」
すでに、9月21日のASBJで議題に挙がっています。
第510回企業会計基準委員会 Youtube(2023年9月21日)
動画だけであり、「概要」のページをみても資料は掲載されていません。
動画によると、金融庁の説明とそれに対する質疑応答だけだったようです(14分程度)。
見直し後の金商法開示では、四半期がなくなり半期だけとなるわけですが、金融庁説明によると、新制度における半期も、基本的には従来の2Qに適用される四半期基準と実質的に同じものにしたいようですから、実務にはそれほど大きな影響はないのでしょう。
ただし、四半期基準では、「本会計基準は、上場会社等が四半期報告制度に基づいて又は同制度に準じて開示する四半期財務諸表に適用する。」とあり、 法改正でなくなる制度を前提にした規定になっているので、基準の名称も含めて全般的な整理は必要なのでしょう。また、取引所で検討している四半期決算短信の作成ルールも、財務諸表部分はASBJの基準を準用するのでしょうから、準用できるような基準でないといけません。
なお、四半期基準とは別に、企業会計審議会の中間(連結)財務諸表作成基準というのもまだ残っているはずです。同じ半期なのに、作成基準が2つあるというのも変です。そのあたりを、スクラップアンドビルドする勇気があるのかどうかも注目されます。ついでに、中間監査も廃止して、レビューに一本化すべきでしょう(ASBJではなく企業会計審議会の担当になりますが)。