日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長がオリンピック招致に関わる贈賄疑惑について記者会見で説明したという記事。しかし、質問は一切受け付けなかったそうです。
「竹田会長は会見で「支払ったのはコンサルタント料だった」と改めて主張すると、2016年のJOCの調査チームによる調査結果内容を説明。贈賄の疑いを否定すると、「フランス当局の捜査に協力することで、潔白を証明したい」と締めくくった。」
「仏検察は竹田会長が理事長だった招致委が13年7月と10月、シンガポールのコンサルタント会社「ブラック・タイディングズ」に計約2億3千万円を支払ったことを15年末に把握。一部が資金洗浄などに使われた可能性があるとして16年に捜査を始めた。竹田会長は会見で「招致委はブラック・タイディングズ社とのコンサルタント契約に基づいた正当な対価だ」と述べ、贈賄を否定した。」
記者会見の動画も掲載されていますが、それをみると、会長は、下から回ってきた稟議書を承認しただけで、詳しい事情は何も知らないといっているようです。
「東京五輪買収」竹田JOC会長に訴追手続き(FACTA)
ルモンド紙にスクープ記事が出ているのだそうです。
L’homme fort des JO de Tokyo 2020 mis en examen pour « corruption active »
Les magistrats enquêtent depuis trois ans sur des soupçons de corruption en marge de l’élection de la ville hôte des prochains Jeux d’été. Et ils soupçonnent la victoire de la candidature japonaise, en 2013, d’être le fruit de tractations occultes lui ayant permis de gagner notamment la voix de membres africains du CIO.
「治安判事は、次の夏季大会の開催都市の選挙の傍観で、3年間の汚職を調査しています。そして彼らは、2013年に日本の立候補した勝利がオカルト交渉の成果であると疑っており、それが彼がIOCのアフリカのメンバーの声を特に勝ち取ることを可能にしたのです。」(グーグルで翻訳した訳文)
「3年間の汚職を調査しています」というのは、3年前から調査しているという意味でしょう。
電通「東京五輪買収」の物証(FACTA)(2018年3月号)
もともと、電通が国際陸連と深い関わりをもっており、あやしい契約が結ばれているのだそうです。
「東京五輪はカネで買われたのか――。
2年前のFACTA16年3月号は、英ガーディアン紙との共同取材で、東京五輪組織委員会と日本オリンピック委員会(JOC)にそう問いかけた。ロシアの国家ぐるみのドーピングで国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアク前会長が、100万ユーロ(約1億3千万円)以上の収賄と資金洗浄容疑で15年11月に仏司法当局に逮捕されたからだ。同時に息子の一人で陸連のマーケティング・コンサルタントだったパパ・マッサタ・ディアクが国際指名手配され、母国セネガルに逃亡した。
前会長は国際オリンピック委員会(IOC)の有力委員でもあったため、かねて親密な電通の働きかけで東京五輪開催の集票に協力していた。ロシアのドーピングを摘発した世界アンチドーピング機関(WADA)が16年1月に公表した独立委員会報告は、当時のディアク会長が国際陸連への協賛金の支払いと引き換えに20年五輪の開催都市決定で票を売る用意があったと示唆している。注記には、もう一人の息子ハリル・ディアクとトルコの五輪招致関係者の会話内容が書かれ、「トルコはダイヤモンド・リーグか国際陸連に協賛金400万~500万ドルを支払わなかったためディアク会長の支持を失った」「日本はその金額を支払った」とあったのである。」
こちらの解説記事によれば、日本の法律にも違反している可能性があるそうです。
↓
JOC会長の贈賄疑惑 日本ではどうなるのか(Yahoo)
「...その行為が日本の刑法では贈賄行為にはならないとしても、フランスで犯罪行為だと認定されたならば、少なくとも公序良俗に反する行為であることは否定できないと思われます。五輪を招致するためであったという組織的な目的があったとしても、それはその行為を正当化する理由にはなりえません。その場合は、本来支出すべきではない資金が不当に支出されたわけですし、実際に財産上の損害が生じたといえます。フランスの裁判所が本件行為を贈賄行為だと認めたならば、日本の刑法の問題として背任罪の成否が非常に重大な問題として議論されることになるでしょう。」
当サイトの関連記事(2016年5月)
「ブラック・タイディングス社は、本当にそれだけ華々しい実績を持っているのだろうか。シンガポールでの同社の所在地は簡素なアパートで看板もない。欧米のメディアは同社を「ペーパーカンパニー」と報じている。」(上記当サイト記事で取り上げている東洋経済記事より)
日産ゴーン事件で問題となっている中東へのあやしい支払は、あやしいとはいえ、支払先はペーパーカンパニーではなく、実体がある先のようです。こちらの方が負けず劣らずあやしいように思われるのですが...。
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