会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日本生命の営業15人が金銭詐取、配当金など5年間で1・4億円(読売より)

日本生命の営業15人が金銭詐取、配当金など5年間で1・4億円

日本生命保険が、営業職員15人による計16件の不正を発表したという記事。不正取得された金額は総額1億3800万円。

「東京都武蔵野市や大阪市、青森県弘前市など13支社の職員15人が、金銭を不正取得していた。計16件被害額は約1万~5800万円だった。資産形成の助言をするとして、現金を受け取るなどしていた。契約者に親族贈与を手伝うと持ちかけ、4年間に約100回にわたって現金総額約5700万円をだまし取ったケースもあった。」

金銭詐取以外の不正も...

日本生命「9カ月間で34件の違反行為」の異常事態
金融庁の立入検査に戦々恐々、不正はなぜ多い
(東洋経済)

「日本生命の場合、2021年度は12月時点(2021年4月~12月)で34件の事故が発覚し、その旨を財務局に届け出ている。「重要事項の不説明」や「特別利益の提供」(契約者や被保険者に対して保険料の割引きなどを行うこと)など、保険募集に関わるさまざまな違反行為が報告されたが、特に目立つのが保険に加入意思のない人の名義だけを借りて作成する「名義借り契約」と呼ばれる不正契約の多さだ。

日本生命の全国99支社の1割に当たる10支社で名義借りが発覚しており、実際の不正契約の件数は100件以上に上る。」

ひどい金銭詐取事件もあります。

「「今後、金銭詐取事案が発生した場合には、財務局だけでなく、金融庁にも前もって報告するように」――。

金融庁が日本生命に対して異例の要請を出すきっかけになったのは、2021年度に発覚した同社青森支社における金銭詐取事件だ。

同支社所属の営業職員が70代の契約者の配偶者と懇意になり、銀行の通帳とパスワードを入手。約8カ月間に計38回も契約者貸付金や配当金を不正に引き出して金銭を取得した事故が同社の社内調査で判明している。」

「日本生命の内部資料によると、2017年度から2021年度までの直近5年間で、営業職員による金銭詐取事案が15件判明している。もちろん金融庁は事故の報告を受けているが、中には1事故で契約者の被害総額が数億円に上る詐欺事件も発生している。にもかかわらず、日本生命はこうした事実を一切公表していない。」

今回ようやく公表したということでしょうか。

読売記事では、日本生命が自主的に発表したように読めますが、開示を見ると、報道されてしぶしぶ公表したようです。

当社に関する一部報道について(日本生命保険)(PDFファイル)



明治安田生命でもひどい不正事件が起きています。

明治安田生命、「金銭詐取1億円超」で広がる波紋
「営業職員指針」の策定で圧力強める金融庁
(東洋経済)

「そもそも、今回の事案は2021年10月、契約者から「保障金額を減らしたい」という契約内容変更の申し出があったことがきっかけとなった。

申し出を受けて契約内容などを確認する過程で、明治安田生命の新宿支社に勤務する70代の元営業職員(2020年10月末退社)が、保険料や契約者貸付金を不正に着服していたことがわかった。

さらに、同職員が過去に取り扱った全契約約1000件を洗い出し、契約者に電話や面談をしたところ、架空の養老保険などを提案し、金銭をだまし取っていたことも新たに判明したという。

一方で、当初は被害の範囲が数人にとどまっていたことから、明治安田生命としてはそれ以上の被害拡大のおそれはないとして、公表の必要なしと判断していた。」

「公表した文書の内容にも疑問の声が上がっている。明治安田生命は元営業職員による金銭詐取の被害額について、文書では総額約2000万円と記している。

ただし、この総額には架空契約などにより金銭詐取したもの、その後和解に至った案件は含まれていない。明治安田生命の複数の幹部社員によると、実際に元営業職員が詐取した金銭(後に返還したものを含む)は総額で1億円を超えるという。」
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