元理事への賄賂は5ルート、計約2億円に 五輪汚職でADK社長ら逮捕
東京五輪汚職事件は、大手広告会社「ADKホールディングス」からの贈賄で逮捕者が出て、立件されたわいろの額が合計で2億円近くになったという記事。
ADKは社長ら3人が逮捕されています。わいろを受け取ったとされる大会組織委員会元理事も再逮捕されています。
「ADKルートの元理事の容疑は、アサツーディ・ケイが五輪のスポンサー集めで組織委の専任代理店を務めた大手広告会社「電通」(東京都)の再委託先に選ばれたいなどと植野社長(「ADKホールディングス」社長)らから依頼を受け、便宜を図る見返りに2017年11月~今年1月に計約4700万円の賄賂を受領したとしている。贈賄側は贈賄罪の公訴時効(3年)が成立していない計約1400万円に限って立件した。」
そのほか、ぬいぐるみルートも...
「サン・アロールートの元理事の容疑は、同社元社長から大会マスコットのぬいぐるみを販売できるライセンス契約を円滑に締結したいとの依頼を受け、便宜を図る見返りに18年10月~21年4月に計約700万円の賄賂を受領したとしている。特捜部は元社長については在宅で捜査を進めるとみられる。」
賄賂の送金先は...
「ADKからの賄賂とされる約4700万円のうち約2700万円は元理事のコンサルティング会社「コモンズ」に送金され、残る約2000万円は元理事のゴルフ仲間が社長だったコンサル会社(解散)に送られたとされる。サン・アローからの約700万円の送金先も同じコンサル会社。」
これまで立件されたものを合計すると...
「事件は紳士服大手「AOKIホールディングス」(横浜市)、出版大手「KADOKAWA」(東京都)、広告会社「大広」(大阪市)の3ルートから5ルートになり、立件された賄賂総額は計約1億9600万円となった。」
ADKは、2017年にベインキャピタルによるTOBが成立し、その後、上場廃止になっています。非上場会社ではあるのですが、売上高3千億円超の大企業です。あやしいコンサル会社(うち1社は完全なペーパーカンパニー?)に、何千万円も送金してはまずいでしょう。社長が逮捕されたということは、典型的な経営者による内部統制無効化だったのかもしれません。
当社代表取締役社長の逮捕について(ADKホールディングス)
「本日、当社代表取締役社長である植野伸一及び元役員等の計3名が贈賄の疑いで逮捕されました。このような事態に至りましたことは誠に遺憾であり、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
当社は逮捕の事実を把握しているにとどまり、引き続き必要な捜査が継続中であることから、詳細については公表を差し控えさせていただきます。引き続き、当社は事件の解決に向けて、関係当局による捜査に全面的に協力してまいります。」