金融庁の証券取引等監視委員会は、ネットワンシステムズ株式会社における金融商品取引法に基づく開示規制の違反について検査した結果、法令違反の事実が認められたとして、課徴金納付命令発出の勧告を、2021年6月11日付で行いました。
「当社は、架空循環取引による売上の過大計上及び回収可能性の低い立替金に係る特別損失の不計上等、不適正な会計処理を行った」、その結果、「「重要な事項につき虚偽の記載」がある...有価証券報告書、四半期報告書及び有価証券報告書等の訂正報告書を提出した」とされています。
対象は、平成28年3月期有価証券報告書から令和元年9月第2四半期四半期報告書までと、令和2年3月13日提出の訂正報告書です。
影響額は、例えば、平成29年3月期有価証券報告書でみると、「売上の過大計上」「特別損失の不計上」により、「親会社株主に帰属する当期純利益が1,075百万円であるところを3,822百万円(訂正報告書は3,584百万円)と記載」、令和元年9月期(第2四半期)四半期報告書でみると、「親会社株主に帰属する四半期純利益が2,656百万円であるところを5,055百万円と記載」となっています。
勧告された課徴金額は、8,110万9,997円です。
会社のプレスリリース。
証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告に関するお知らせ(PDFファイル)
関連報道。
ネットワンに課徴金 循環取引で決算虚偽記載―監視委(時事)
「監視委によると、ネットワンは複数企業との間で実体がない循環取引などを行い、2015年度から19年度に純利益ベースで計約140億円を過大計上した。循環取引の相手企業名は明らかにしなかった。」
140億円利益水増しか「ネットワンシステムズ」への課徴金勧告(NHK)
「証券取引等監視委員会によりますと、この会社は複数の企業の間で架空の取り引きを繰り返すいわゆる循環取引によって売り上げなどを決算に過大に計上していたということです。
おととしまでの4年間に過大に計上された利益は合わせておよそ140億円に上るということで監視委員会は金融商品取引法に基づき、8100万円余りの課徴金を命じるよう金融庁に勧告しました。
会社によりますと循環取引は去年、懲戒解雇された元社員が主導していたということで、この元社員は今月、取引先に指示してうその名目で会社に代金を請求させ、現金をだまし取ったとして詐欺の疑いで警視庁に逮捕されています。」
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