「バチカン銀行」の元総裁が、公金横領とマネーロンダリングの罪で実刑判決を言い渡された当記事。
「バチカンの裁判所は21日、「バチカン銀行」の通称で知られるローマ教皇庁の財政管理組織「宗教事業協会(IOR)」の元総裁、アンジェロ・カロイア(Angelo Caloia)被告(81)に対し、公金横領とマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で禁錮8年11月の有罪判決を言い渡した。」
「1989~2009年にIOR総裁を務めたイタリア人のカロイア被告は、弁護士ら2人と共謀してIORがイタリア国内に所有する不動産20件以上を市場価値より安値で売却したと見せ掛け、多額の売却益をスイスで資金洗浄したとして起訴された。検察当局は、不正に得た利益は総額5900万ユーロ(約74億円)に上ると主張している。
バチカンの発表によると裁判所は、被告らが「買い手の支払った金額の一部ないしはIORに帰属する資金(中略)総額およそ1900万ユーロ(約24億円)を着服した」と断定した。」
「フランシスコ教皇(Pope Francis)はバチカンのガバナンス改革を推進しており、画期的な判決といえる。」
Vatican Tribunal rules in embezzlement case against former IOR head(Vatican News)
2002年から2007年にかけて行われた不動産売却取引を操作し、市場価値より低い値段で売却し、差額を着服していたとのことです。その金額、約59百万ユーロの一部は、スイスで資金洗浄されていました。
According to the indictment based on investigations carried out in 2014 by the Promontory Group, Caloia and Liuzzo, in league with the then IOR general director, Lelio Scaletti (now deceased) manipulated the sales of the properties between 2002 and 2007, selling them below their market value and appropriating the difference. The sum, estimated at approximately 59 million euros, was partly laundered in Switzerland with the help of Liuzzo’s son, Lamberto Liuzzo.
それ以外にも、売却価格が当時の市場価値よりも著しく低い不動産取引がありましたが、着服したということが証明できず、それらに関しては無罪になっています。
They were, however, acquitted of the charges relating to properties for which it had not been proven that they appropriated money, even though the purchase price of the properties was significantly lower than the market value at the time.
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