女性管理職の割合、かなり「盛られていた」 複数の地方銀行、「厳密な基準」に当てはめたら驚きの結果が
有報の女性管理職比率の開示で、昨年、いくつかの地銀が水増ししていたのではないかという記事。それらの銀行では、今年は、比率が急減したのだそうです。
「女性管理職比率は、上場企業の財務諸表である有価証券報告書(有報)への記載が求められている。本紙が、昨年の女性比率が10%以上だった地銀65行(持ち株会社含む)について今年の有報(6月提出分)と比較したところ、87%の57行は比率の変化が5ポイント未満だった。一方、残り8行は比率の下げ幅が5ポイントを超えており、理由を聞いた。
女性比率を22ポイント下げた京葉銀行(千葉市)は「女性行員のさらなる上位層での活躍を促すため、管理職の定義を厳格に運用した」と理由を説明。武蔵野銀行(さいたま市)は「他社との比較をしやすい開示内容にしたため」と答えた。」
記事の表によると、京葉銀行は、30.8%から8.4%に、武蔵野銀行は、25.3%から15.3%に下がっています。そのほか、豊和銀行、筑波銀行、百十四銀行が10%超下がっています。
管理職の範囲を甘く定義していたようです。
「有報に記載する管理職の定義は、「課長級とそれより上位」「10人以上の長」などを原則とする厚労省所管の女性活躍推進法(女活法)に準拠している。一方で、厚労省は原則に当てはまらない場合、事業主の判断に委ねることを認めていた。昨年8月の本紙取材では、一部の地銀が管理職の範囲を独自に広げ、全行員に占める管理職数が半数近くまたはそれ以上になっていたことが判明。その結果、女性比率も高くなっていた。」
名前が挙がっている銀行は、昨年の有報の虚偽記載を自白しているようなものですが、そのことでなにか処分を受けたとか、処分までいかなくても有報を訂正したとかいう話は聞きません。金融庁は銀行にはやさしいようです。
京葉銀行2023年3月期有報より。
同2024年3月期有報より。
せめて比率の算出方法を変更したと注記でもしているかと思えば、前年とまったく同じです。