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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

慶応→ハーバードの御曹司が会社を潰すまで(現代ビジネスより)

慶応→ハーバードの御曹司が会社を潰すまで
『アイスノン』『ホッカイロ』でお馴染み 老舗「白元」


破たんした白元を取り上げた記事。監査法人も登場します。

「最初に危機が表面化したのは、'06年3月期決算でのことだった。

「白元はこの決算で突然68億円の赤字を計上しています。背景にあったのが『押し込み販売』。期末に商品を売って売り上げを計上するが、期をまたいだ後で返品扱いにするという手法です。白元側はこれまでの『決算ドレッシング』を修正して、過去の膿を出すと説明していた」(信用調査会社・東京経済の情報部員)」

「押し込み販売=粉飾」かどうかは微妙な点がありますが(そもそも「押し込み販売」のはっきりした定義がない)、期末をまたいで返品されることを予定して売上計上することは、「収益認識」上、大問題です。返品できるという条件が、監査人などから隠されていることもありえますが、継続して、「押し込み→返品」をやっていたのであれば、返品の実績から異常を把握することはできそうです。

「・・・こうして再生に向けた改革が後手に回るうちに、白元は新たな借入先の銀行を次々と探し回るなど資金繰りが厳しくなっていったという。そしてまた問題が噴出する。

「白元の会計監査人だったあずさ監査法人が'11年9月に辞任しました。任期途中の辞任は異例。不透明な会計処理が再開され、その対応の仕方をめぐって会社側と対立したのではないかと疑われた」(前出・情報部員)」

上場会社であれば、この時点であやしいということになります。(白元の場合、後任監査人はどこだったのでしょうか。)

「いよいよ追い詰められてきたのが昨年になってからのこと。古くから付き合いのある住友化学から20億円弱の出資を受けたが、同時にカイロ事業の譲渡交渉を続けていた『キャベジンコーワ』で有名な興和から、譲渡代金を前借りしていることが判明。鎌田社長の米国仕込みのプレゼン能力をもってしても、新たな資金調達先を口説けなくなった。

万事休すだった。

「ちょっと財務が厳しいので、アドバイスして欲しい」

今年3月、白元から西村あさひ法律事務所にそんな連絡が入った。事業再生を専門とする南賢一弁護士率いるチーム主導のもと、3月13日には白元に融資する各銀行の担当者を集めたバンクミーティングが開かれ、「元金の支払いの一時停止のお願い」と「6月末までの残高維持の要請」が行われた。その間に弁護士とともに再生計画が練られた。

「しかし、得体のしれないコンサル業者に年間3億円のコンサル料を支払っていたことが判明。不透明な会計処理も見つかり、鎌田氏は経営者として末期状況と判断された。私的整理での破綻処理も検討されたが、三菱東京UFJ銀行がこれに強硬に反対。結局、民事再生しかないとの流れに傾いていった」(金融機関関係者)

追い打ちをかけるように情報が外部漏洩して、信用収縮が発生。資金繰り上のデッドラインは5月末という中で、最後まで金融機関との調整が行われたが、このままでは「野たれ死ぬ」として、ついに最終判断が降りた。5月29日、白元は臨時取締役会を開催。この日の17時20分に、民事再生の申し立てが行われたのだ。」

業績が悪くなって粉飾に走る、監査人から厳しいことを言われて監査人を替える、資金繰りが厳しくなってあやしいコンサルタントに頼る・・・ということだとしたら、ダメな会社の典型例です。
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