住友金属工業が、約34億円の使途秘匿金が見つかるなどして、国税局に約41億円の所得隠しを指摘されたという記事。
所得隠しの手口自体は、記事を読んでいただくとして、内部統制評価的には、この一件は2つの見方ができます。
まず、単に、税金計算(未払法人税等の計算)と申告のプロセスに問題があっただけであるという見方です。いいかえると、税務上使途秘匿金として申告し、その分の税金を納めていれば全く問題ないケースであり、経費に紛れ込ませてしまい、そのことにより税金計算に使途秘匿金の存在を反映させなかったという点に内部統制上の問題があるという考え方です。
もう一つの見方は、使途を秘匿しなければならないような支出は、そもそも不正な支出であり、そのような支出が生じてしまったということは、不正な支出を防止するための内部統制に不備があったというものです。この考え方だと、仮に使途不明の支出を税務申告に反映させて、正しい税金計算を行ったとしても、許されません。会社は、内部統制に不備があるという評価を報告し、監査人もそのような意見を表明することになるでしょう。(もちろん金額にもよりますが・・・)
記事によると、住友金属工業は、「内部統制機能をさらに強化し、再発防止や適正な経理処理に努める」とコメントしているそうですが、どちらの意味でいっているのでしょうか。
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