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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

出口狭まるスタートアップ 評価高騰、M&A3割減 IPO、小型案件は敬遠(日経より)

出口狭まるスタートアップ 評価高騰、M&A3割減 IPO、小型案件は敬遠(記事冒頭のみ)

スタートアップ企業の出口戦略に問題が生じているという記事。監査法人の人手不足にもふれています。

「スタートアップ企業の創業者や株主が投資資金を回収する出口戦略(エグジット)が、試練に直面している。M&A(合併・買収)や新規株式公開(IPO)のハードルが高くなっているからだ。」

M&Aで大企業に売却するという出口は、価格高騰による減損リスク増大などにより、ハードルが高くなっているとのことです。

「レコフ(東京・千代田)によると、2019年1〜10月に国内外の企業が国内スタートアップに実施したM&A(持ち分法適用案件を含む)の件数は前年同期比29%減の48件だ。金額も30%減り335億円だった。」

「10年代前半はディー・エヌ・エー、ミクシィなどネット大手がスタートアップの買収を積極化したが、のれんの減損処理が相次いだ。KDDIが17年にIoT通信のソラコム(東京・世田谷)を200億円超で買収後、大型といえる案件はほとんど出ていない。

スタートアップの評価高騰には拍車がかかっている。...VCにとっては皮肉なことに、評価高騰が減損リスクなどを高め、M&Aを難しくしている。」

IPOに関しては、監査法人などの人員不足を指摘しています。

「取引所の上場審査の厳格化に加え、証券会社や監査法人の人員不足を背景にして「狭き門」となりつつある。

19年にIPOを実施する企業の数(TOKYO PRO Marketを除く)は、86社と18年より4社減る見通しだ。専門家からは「時価総額の小さな案件は市場関係者から敬遠される風潮が強まっており、20年は50社程度に減る可能性がある」(大手監査法人)との指摘も出ている。

上場手続きを担う証券会社などには、人手不足のなかで、できるだけ多くの手数料を得られる時価総額の大きな案件を手掛けようという誘因が働く。」

こういうこともあって、金融庁もこれまでの方針(新規監査契約は厳しくリスク評価しろ、あやしい上場予備軍は契約するな)を転換しようとしている(かのようにみえる連絡協議会を設置する)のでしょう。

正確に引用されているのかどうか分かりませんが、会計的におかしなコメントも...

「M&A支援を手がけるGCAテクノベーション(同・千代田)の久保田朋彦代表は「国は減損の繰り延べなど事業会社の背中を押す政策を考えてほしい」と話す。」

会計上の減損(のれんの減損や金融商品(株式)の減損)のことだとしたら、繰り延べは、完全に会計基準違反となります。

当サイトの関連記事(「株式新規上場(IPO)に係る監査事務所の選任等に関する連絡協議会」の設置について)
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