シャープが再建計画について主力取引行のみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行と大筋合意したという記事。
「シャープの高橋興三社長と2行の担当役員が同日(注:4月16日)に会い、主力2行は2000億円規模の債務の株式化(DES)を実施し、シャープの資本増強を図ることで大筋合意した。」
DESについては、その実行時に、債務免除益(あるいは債務償還益)的に、株式時価と債務簿価の差額を利益計上できれば、損益上、助かりますが、現行基準ではできないのでしょう(未確認)。
社内分社化をやるそうですが、財務会計的には特に意味はありません。
「事業の収益管理を徹底する狙いから、社内分社のカンパニー制を導入する。巨額の設備投資資金が必要な液晶事業で、分社化や他社との提携をしやすくする。将来的には、産業革新機構の出資も含めて検討する意向で、主力取引行や経済産業省に相談を持ちかけた。」
2015年3月期の決算は、減損処理など、監査人と協議しなければならないことが多そうです。
「2015年3月期の連結最終損失は、太陽電池事業をはじめ生産設備の減損処理が響き、計画の300億円から大幅に膨らむ見通し。14年12月末の自己資本は2380億円(自己資本比率10.8%)。最終赤字の計上で、自己資本は一段とき損する見込みで、銀行の支援で資本を増強する。」
金融支援“条件”でシャープが呑んだリストラの覚悟…「本社売却」「人員削減」「工場閉鎖」でも再生途上、中韓低価格攻勢の壁も(産経)
売却されるという本社土地建物の資産価値は40億円程度だそうです。豪華な本社ビルを建てたりせず、本業中心にまじめにやってきたのでしょうが、焼け石に水です。
当社の資本増強などに関する一部報道について(シャープ)(PDFファイル)
会社発表によると、16日現在、決定した事実はないとのことです。
デット・エクイティ・スワップに係る債務者側の会計・税務(新日本監査法人)(2013年)
こちらの会社も大赤字です。
↓
マクドナルド、380億円の赤字予想 190店を閉店へ(朝日)
平成27年12月期 通期業績予想の発表 および ビジネスリカバリープランに関するお知らせ(日本マクドナルドホールディングス)
「新店建設を極めて厳選し、既存店舗の改装にリソースを優先的に振り向けます。新店舗を増やすことよりも改装を加速し、最高の店舗体験と目に見える変化を一人でも多くのお客様に感じていただけるようにいたします。
一方で戦略的閉店により投資資金を確保します。戦略的閉店には一時的に約40億円の費用がかかりますが、年換算で約24億円の損益の改善が見込めます。」
「戦略的」というともっともらしく聞こえますが・・・。
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