東証一部上場企業「ディー・エル・イー」(DLE)の決算を分析した記事。
売上が増えているのに、売上総利益は横ばい、売掛金回収期間は増加傾向、営業キャッシュフローはマイナスといった懸念材料があるそうです。
決算説明会で話を聞いたそうです。
「筆者の最大の懸念である売掛金の増加については、十分に説明されたとは言い難い。というのも、これについては資料の中で、<近年、取引量の増加により売掛金が増加傾向にあります。大型制作案件は制作期間及び回収期間が比較的長い案件となりますが、今期より納品が始まり入金が進んでおります>と触れられるにとどまったからだ。
DLE社は最近、映画制作にも携わるようになっている。こうした大型制作案件の場合、「すぐに売掛金が回収できるわけではない。それが売掛金が増加している理由だ」ということのようだが、前述した通り、バンダイ・ナムコや東映アニメーションなどの同業他社の売掛金回転期間は正常なため、やはり懸念が残るのだ。
筆者は川島氏(会社のCFO)に「売掛金の増加に関して詳しく説明してほしい」と質問したが、資料の文言に沿うように、「大型案件を受注し、業界慣行上それがまだ入金されていないため」という旨の説明を受けるに留まった。」
海外子会社にヒントがあるのではないかともいっていますが、根拠は弱いように思われます。
大手監査法人が監査人であり、こういうあやしい兆候は全部原因を解明していることを期待しましょう。売上が数十億円の会社だと、ごく少数の取引の影響で、分析数値が大きく動くことはあり得えます。その取引の内容をよく吟味すれば、疑問点を解消する(あるいは不正会計を発見する)ことはたぶん可能でしょう。
(記事中の売掛金回転期間のグラフが、明らかに月数なのに「日数」という表示になっているのは修正した方が...)
この小説の著者(東大の学生)が記事を書いています。
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